障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2017年4月353号巻頭文

全国連絡会は活動を進めていきます

障害児を普通学校へ・全国連絡会 代表  長谷川律子

東日本大震災から6年目の3月11日。私にできる小さな抵抗として東京電力から他社に契約を切り替える、食材を被災地から取り寄せることしかできていません。あの大きな津波が押し寄せてくる光景は、今でも恐怖です。高台から港を一望したとき、「どんなにおそろしかったことか…」と思いました。生かされた者は、生きていくしかない…つらい現実。

全国連の世話人会・総会の開催は、毎年この日の前後になってしまっていました。来年からは重ならないようにします。

3月11日の一日目は「学習会、世話人会」、12日の二日目に総会の設定で、参加者から活発な意見が出されました。 学習会の「個別カルテ」について、運動をしている人たちや、関心のある人たちは、「差別」であり、振り分けであり、一層の「分離」の強化とおさえています。さらに障害のある子どもだけでなくどの子も管理の対象としている危機感から、昨年は二回学習会を開催しました。

一回目は7月18日でしたが、その8日後の26日に「津久井やまゆり園障害者殺傷事件」が起きました。 全国連絡会は「地域の学校で共に学び、共に育つ」を掲げ、当たり前に地域で暮らすことを求め活動してきました。それにもかかわらず、とうとう、こんなことが起きてしまった。衝撃、鳥肌――力不足が問われ、絶句してしまいました。

40年前、八木下浩一さんに「あんたみたいな親が障害児殺しをするんだ!」と言われたことが脳裏をよぎりました。わが子を施設に預けざるを得なかった事情はあるでしょうが、この事件から二度と施設ではなく、地域で暮らせる方向を考えていただきたい。これまでの目に見えない社会の圧力、「私たちは本当は、こうしたかったんだ!」ということを正面切って言ってほしい…と同じ親の立場として思いました。そして、心の中にある差別は周りに遠慮したり、自己規制して正当化していないか気がついてほしかった。大事なわが子が殺されたのに匿名にするなんて、名前をつけてあげたのは親でしょ。子にとっては最初の権力者は「親」であるけど「親」が一番好きです。安心して身をゆだねられる存在なのです。わが子に「ごめんね」と謝ってほしい。

皆さんの勇気が、分離を正当化しようとする日本の教育制度へ警鐘を鳴らします。

国は、ソフトな言葉や表現で一人一人のつながりを切ろうとしています。例えば、

「個別カルテ」は障害児だけでなく全ての子どもたちが対象となり学校だけの活用ではないことも明らかになっています。また、先生たちは事務作業に追われ、子どもとのふれ合いも少なくなってしまいます。良心的な先生は疲弊し、現場にいられなくなります。たくさんの問題点があります。これだけ分離教育が定着(?)し、分けられて育ってきた世代に話しても、「何が問題なの?」と返ってきます。どうやって伝えられるか? つながれるか…手段が見つからないのも現実。ネットやメルガマを活用しようという案もありますが。就学時でも保育園入園時でもなく、〝オギャー〟って生まれる前から分離されるのかと考え込んでしまいます。

私は感覚人間で理論武装はヘタですし、苦手。「なるほど、そういうことを言いたかったのヨ!」と思ったり、「エッ、ちょっと違うんだけどー」と思うこともありますが、共感できることを吸収しながら歩んで来ました。就学闘争の歴史を語り、子育て、地域とのつながりを次世代へバトンタッチができるように、本年もお仕事をさせていただきます。時代はくるくる回っています。古いようでも新しい何かを若い人たちは見いだすと期待します。

私がそう思えるのは、「全障連」「青い芝の会」の彼・彼女たちのふりしぼる一言、一声が、高齢になった我が身によみがえり「共生」を後押ししているからです。

会報に予定を掲載していますが、運営委員会・事務局会議等に会員の皆さんの参加をお待ちしております。そして、風通しのよい「学校」「社会」「共生・共生」を求めて全国連絡会は活動を進めていきます。

本年もよろしくお願いします。

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

巻頭 全国連は活動を進めていきます / 2017年総会及び世話人会の報告ー学習会・世話人会報告・総会報告・2016年度決算報告・監査報告・2017年度予算・2017年度役員  / 個別カルテはどうなった /●相模原障害者施設殺傷事件を問い続けるー問われているもの / 医療的ケア児を持つ親として〜みんなのWAの中で〜 / 第66次日教組教育研究全国集会 平和お守り、真実をつらぬく民主育の確立 2017年2月3―5日 in NIGATAに参加して / 運営委員会こぼれ話 その8 / ●相談からコーナー 普通学級に入学しましたが心配なことばかりです / 事務局から / 事務局カレンダー