悩み相談 Q & A

いただきましたご相談に、担当者がお答えしています。ご参考になさってください。

ご相談内容をクリックすると回答が表示されます。

 

【 学校に入る前に・・・ 】

 

【 学校での悩み 】

 

【 学校から何か言われたとき 】

 

 

No.1 就学時健康診断について

■ 質問

来年4月に小学校に就学予定です。普通学級を希望していますが、まだどこにも相談はしていません。就学時健康診断のお知らせがきましたが、どうしたら良いでしょうか

■ 答え

ご存じの方も多いかと思いますが、就学時健康診断は、受けなければいけないものではありません。教育委員会に実施義務はありますが、子どもの受診義務はありません。就学時健康診断の最大の目的は、「障害」児を見つけだして、就学相談にかけさせ、子どもを支援学級や支援学校に送り出そうというものです。私たちは、長い間、この振り分けを目的とした就学時健康診断に反対してきました。そして多くの子どもたちが就学時健康診断を受けずに、地域の普通学級に入学してきました。

まずは、就学時健康診断には行かないことがよいと思います。どうしても行くという場合は、行った学校で「この学校に入りますのでよろしく」と伝えましょう。 就学時健康診断でチエックされると、就学相談にかかるように勧められます。これは、「相談」ですから、本人が希望しなければ受けなくていいものなのです。しかし、何も知らないと受けないといけないように思わされ、「相談だからいいか」と受けてしまうと、それは「相談」に名を借りた子どもの「就学 先判定機関」になっていて、一方的に「判定」が出され、あたかも判定に従わなければいけないような言われた方をされます。

困ったときには、一人だと不安だと思いますので全国連絡会に相談ください。また、全国連絡会から出されている「障害児が学校へ入るとき」(千書房刊・1600円)をお読みになると、詳しいことが分かります。


No.2  就学相談について

■ 質問

来年就学予定で、就学相談を受けたところ、「支援学校適という判定が出たので支援学校に行きなさい」と言われました。支援学校に入らなければいけないのでしょうか。

■ 答え

最近は、就学時健康診断のかなり前から「就学相談」を勧められ、相談に行く方も多いようですが、普通学級に行くことがはっきりしていたら、これも相談に行く必要はありません。それでも子どもの状態を伝えておきたいというときは、「就学相談」には申し込まず(申し込み票を提出しないで)「普通学級に入りたいので相談に来たのでよろしく」ということにして、あくまで普通学級に入るための「相談」という姿勢を貫いてください。

もし、「相談」を受けて判定が出されたときは、障害者基本法16条で、「保護者・本人の希望尊重」が明記されていますから、何を言われても、最後まで希望が変わらないことを伝えましょう。実際には、子どもの悪いところばかりとりあげ、これでは普通学級でやっていけないとか、周りが迷惑するとか、親子の希望を変えさせようとあらゆる否定的な言い方をして親子を不安にさせるこが多いです。悲しい話です。子どもができないから教育が必要なのです。その教育の場が普通学級であってはいけないなどという決まりはどこにもありません。どの場であろうと、どういう障害があろうと、学校や教委はその子を教育する責任があるのです。

ここで負けずに希望を言い続けてください。希望を変えないと就学通知を出さないような意地悪をするところもいまだに多いようですが、就学通知を出す責任は行政にあるのですから、「出さなくてもけっこうです。入学式には○○小学校に行きます。就学義務は親にありますから」と言えば、法令違反をしている行政は、逆にあわてるはずです。

困ったときには、一人だと不安だと思いますので全国連絡会に相談ください。また、全国連絡会から出されている「障害児が学校へ入るとき」(千書房刊・1600円)をお読みになると、詳しいことが分かります。


No.3 通学支援について

■ 質問

母親の体調が悪く、通学の送り迎えがむずかしいため、支援を頼んでいるのですが、認められません。他の地域で通学の支援を認めているところがあるか教えてください。

■ 答え

通学支援については、これまで認めようとしない自治体が多いという話を聞いていました。それは、移動支援に関して、通年かつ長期にわたる外出(例:通園,通学,施設・作業所への通所等)は認めないという縛りがあったからです。しかし、これを逆にみれば、期間限定ならば支援してよいともとれることから、最近では全国各地の自治体で何らかの条件はつけるにしても、通学支援を認めるようになってきています。

この相談があったときに、各地からの情報を求めたところ、以下のような情報がありました。

○愛知県のN市。「移動支援」が、障害者手帳(身体・知的など)所持の子どもの通学に認められている。(予算は、福祉)小・中・高校まで申請のすべての時間が認められ、全額給付。

○東京SI区。親の障害や疾病、就労などの事由により、学校やバスポイントへの送迎が必要と認められた場合、通学等の支援の支給を決定する

○大阪N市。(通学支援以外のことも含めて)障害のある児童生徒の就学保障のためにタクシーによる送迎を行い、介助員を各学校に配置する。医療的ケアの必要な児童については、看護師資格のある介助員を配置する。

このほか、東京SE区、A区、F市、H市、埼玉県の各地、北海道S市、神奈川県Y市、F市、新潟県N市で通学での移動支援の利用が認められています。寄せられた情報だけでもこれだけありますから、他の自治体でも、地域特性や利用者ニーズ等に応じ、それぞれの判断で実施されていることが考えられます。

○保護者の就労により送迎が困難な場合

○日中活動系サービス事業所、児童通所施設等へ通所する場合

○世帯に障害者が複数いる、ひとり親、虐待等、送迎困難と認められる家庭の事情がある場合

○保護者の疾病、入院等により一時的に通学時の送迎が困難となった場合

○通学ルートを覚えるための訓練として一時的に利用する場合

○冠婚葬祭等のために一時的に利用する場合 等々

万が一のときにもすぐに対応できるようになるといいですね。

再度、お住まいの自治体に行って、全国でこれだけの自治体が通学支援を認めていること、法的には問題なく、むしろ支援しないことが本来の主旨とは違うことをうったえてみたらいかがでしょう。子どもが学校に行けないとしたら、そちらの方がずっと大きな問題だと思います。


No.4  就学相談は受けたほうがいいですか?

■ 質問

地域の普通学級へ通わせたいと思っていますが、就学相談は受けた方が良いでしょうか?

■ 答え

はじめに結論です。地域の普通学級へ就学を希望されているのでしたら、就学相談を受ける必要はありません。就学相談を受けなくても、地域の普通学級に就学できます。就学相談を受けると、お子さんの就学先は「就学支援委員会」で検討されます。「相談」「支援」という言葉から、お子さんの普通学級への就学についてどのような支援が必要かなどの相談にのってくれると思われる方もいるかもしれません。しかし、地域によって若干の違いはありますが、多くの場合、依然として、就学相談とは名ばかりで、「その子にあった教育を」という建前のもと、子どもを判定し、就学先を振り分ける機関です。

就学相談を申し込むと、専門委員(教員)や心理士がお子さんを観察します。僅かな時間の観察・面談によってお子さんが「支援学校適」「支援学級適」と判定され、最終的には保護者の意向を尊重するとはいうものの、支援学校や学級への見学を勧められたり、普通学級での大変さを説明されたり、相談継続 という扱いでなかなか就学通知が来なかったりします。昨年の例ですが、就学相談を受けられた保護者の方が、「それまではとても丁寧で親切に対応していた区の方が、判定結果と違う希望を出したら、態度が急変しました。まるで、お上の言うことを聞かないとんでもない輩だという扱いをされました」と憤慨し ていました。普通学級に就学するのに、無駄な労力や嫌な思いをする必要はありません。

芦屋市では、数十年も前から「就学時健診」の前に、すでに「就学先の小学校」が通知されています。通知には、「表記指定の学校以外の学校(私立および国立等)に入学されるときは、その学校の入学承諾書をご持参のうえ、△月□日までにお届けください。特別支援学校へ入学されるときは、所定の手続きが必要となりますので、教育委員会までご連絡ください」と書かれています。秋の就学時健診の前の段階で居住地の学校へ就学通知が送付されています。そして、特別支援学校・支援学級を希望する場合には、別途、就学相談が行われているようです。石川県の金沢市でも2016年から9月上旬に就学時健診の通知とともに就学通知が送付されるようになったそうです。

原則、地域の普通学級。そして、希望する人が特別支援学校や学級へ行く。そのために就学相談を受けるのです。このような地域はまだ少ないのですが、これまでも就学相談や就学時健診を受けなくても、法律にしたがって、就学通知は1月末までに必ず来ています。特別支援学校や学級へ行くには、就学相談が 必要ですが、地域の普通学校へ就学するのに、就学相談は必要ありません。保育園の保母さんや幼稚園の先生に就学相談を受けるよう言われたりもしますが、「普通学級にいくので、就学相談は受けない。必要がない」とはっきり伝えましょう。

それでも、やはり不安ですよね。就学通知が届いた後、どの学校でも2」月はじめに開かれる新一年生保護者会で、お子さんの様子を学校に伝えることもできます。そこで、はじめて、その学校へ就学するための相談を具体的に始めていきましょう。

No.5  入学しましたが子どもが学校で落ち着きません

■ 質問

教育委員会や学校とやりとりをして、ようやく小学校普通学級に入学しました。しかし、入学早々、子どもは落ち着かず、教室を飛び出したり授業中に声を出したりしているようです。このままで大丈夫でしょうか。

■ 答え

今の様子が、子どもの自然の姿と受け止めてください。ですから、無理に子どもにそういう行動をやめさせようとか、厳しく叱るとか、しないようにしてください。

子どもは、周りの様子を見ながら必ず変わっていきます。あせらずに、見守ってください。 私も教員生活を長い間続けてくる中で、1年生を何度も受け持ちました。それぞれいろいろ、おもしろい子どもたちに出会いました。

1学級に40人も子どもがいた時代でしたから、大変と言えば大変でした。あるときは、入学当初、ほとんどの子どもたちが緊張してちゃんと席に着き、担任の方を向いていたのが、入学後1週間もすると、少しずつ緊張も解け、授業中教室を抜け出したり、あちこち「探検」に行って休み時間が終わっても教室に戻ってこなかったりする子たちがでてきました。またあるときは、入学式のときから、式場を走り回ったりしている子もいて、次の日には教室で泣いたり、歩き回ったりする子もいました。そういう大騒ぎしながら、子どもたちは少しずつ変わっていきます。

ある子は、学校という新しい生活の場所に慣れていなかったのでしょう。入学直後から、教室に来るなり、怒って、上履きを脱ぎ、かばんを放り投げ、大声を出して、ということが毎日続き、いったいどうしたらいいか、私も困ってしまったこともありました。さすがに、いったいこれからどうなるのかと不安にもなりました。でも、困った、大変だと思っているうちに、いつの間にか、どの子も少しずつ変わっていくのです。まずは、3ヶ月、そして3学期、さらに3年問、あせらず見守っていけたらと思います。

先の例の子は、1年ぐらいかかりましたが、ほんとうに不思議なように変わっていきました。正直、この子については、ずっと無理かと思っていました。でも、勉強もその子なりにがんばるようになりました。場合によっては、3年ぐらいかかる子もいれば、もっとかかる子もいます。でも、ゆっくり待ちましょう。

先の例の子は、1年ぐらいかかりましたが、ほんとうに不思議なように変わっていきました。正直、この子については、ずっと無理かと思っていました。でも、勉強もその子なりにがんばるようになりました。場合によっては、3年ぐらいかかる子もいれば、もっとかかる子もいます。でも、ゆっくり待ちましょう。


No.6  就学時健康診断(就健)を断るにはどうしたらよいでしょう。

■ 質問

「就学時健康診断」のお知らせが届きました。その冒頭に「学校保健安全法の規定により各小学校で、就学予定のお子様の就学時健康診断を実施いたします。・・・受診されるようお願いします。」とありました。どうしても私たち親は「規定」という言葉に身構えてしまうのですが、全国連絡会の本、「障害児が学校へ入るとき」の説明に従えば宜しいでしょうか。「就学時健康診断のお知らせ」の意味の捉え方としては、あくまで健康診断を実施する義務はあるが、子どもには受診の義務は無いという解釈で宜しいでしょうか?また、本では「学校保健法」とあり、お知らせには、「学校保健安全法」とありますが、どちらも同じものを指すと思えば宜しいものでしょうか?小学校には健診を受けない旨を電話なりで伝えることでよいでしょうか。

■ 答え

最近は状況がいろいろ変わってきてどういうやり方がよいか(すんなりいくか)、簡単には言えない面もありますが、「障害児が学校へ入るとき」の記述は十分参考にしていただいてよいかと思います。断るには、本にあるように直接学校へ話に行くか、電話で「行きません」と伝えればよいです。たまに、「就健は受けるべき」と言ってくる場合がありますので、その時は「だとしたら、その法的根拠を教えて下さい」と伝えてください。「学校保健安全法に書いてある」と言ったら「子どもが受けなければいけないとどこに書いてありますか」と聞いてみてください。それ以上何か言ってきたら、それを言っている人の名前と役職名を聞いて、「こちらで調べてまた連絡します」と伝え、地域で相談できる方がいればその方に、あるいは全国連絡会の方へ相談下さい。

言われるように、就健は教育委員会(学校ではなく)に実施の義務はあっても子どもに受診の義務はありません。もともと、「障害」児を見つけ出して支援級、支援学校への振り分けを目的としたもので、この時期に健康診断を受ける必要は何もありません。しかし、「受けません」と言っただけでこちらが間違っているような言い方をしたり、中には怒り出す人がいたりします。子どものために何が一番良いか真剣に考えて行動していることに間違いはないので、何を言われても自信をもって対応してください。

学校保健法は、2008年に学校保健安全法と言い換えられました。就健に関しては4条が11条になったぐらいで、内容的にはほとんどかわっていません。

ある学校では、77人の予定者のうち、20人も無断欠席があって教頭が嘆いたという話もあります。「障害」というより、忙しさ、受けなくても別に大丈夫という意識、無関心もあるようです。また、その日の情報と、入学してからの子どもの様子に違いがあるのがだいたい毎年の例で、現場感覚としては、就健の意味付けは薄くもなってきているという話もあります。就健も、その必要性が問われる時代になったのかも知れません。

No.7  子どもがいじめられているようですが 

■ 質問

子どもが学校でいじめをうけています。担任に相談しましたが、まだ続いているようです。どうしたらよいでしょうか。

■ 答え

いじめ自殺事件がおきても、学校がすぐにはその原因をいじめと認めないということがよくあります。最近は、いじめのやり方も巧妙になって、先生が気づかないでいることもありますが、子どもたちの様子をよく見ていると、微妙な変化はあるものです。無視、仲間外し、プロレスじみたふざけっこ、いやな言葉かけ(例「こっち来ないで」)、冷たい視線、 通せんぼなどの意地悪、座席を離す…、これらの子どもたちの行動に、たとえ担任が気がついて「そんなことしてはいけません」と言っても、子どもたちは何も感じていないことが多々あります。どこか遊び感覚で、いじめとは思っていない子どもたち。相手の心を深く傷つけてい るとは思っていないように感じます。

こういう状況で担任に相談しても、「注意はしているんですが…」という程度の答えしか返ってこないことはよくあります。このようなことはどこの教室でもおきていて、「あのときはいやだった、つらかった」で、すんでしまうこともあるかもしれませんが、場合によっては子どもに深刻な心の傷を残すこともあります。おとなの見えないところで、もっとひどいことをされていることもあるでしょう。最近は、LINEなどを使ったいじめも多くなったということですから、子どもの変化には常に注意を注ぎたいです。

少しでも心配なときは、まずは、担任に状況を詳しく聞くこと、そして調べてもらうことだと思います。誰と誰がどうして、どういう関係があって、それらに対して具体的に担任はどう対応しているのか、学校全体に報告しているのか、校長や生活指導関係の先生はどう動いているのか、など。返事があいまいなときは、直接校長などの管理職に相談した方がよい場合もあります。

よく、「お宅のお子さんにも問題があるから」という言い方をされることがありますが、これは、いじめ対応で言ってはいけないことです。「障害」児の親に「普通学級に入るといじめられますよ」という言い方もおかしいです。いじめはあくまでもいじめる側が悪いのです。ただ、いじめる側にも複雑な事情を抱えている子が多く、根本的にはその問題が解決されなければいけません。どちらにしろ、まずはいじめの状況をなくさなければ子どもはたまらないわけですから、学校全体で対策をたててもらって(たとえば、いじめが起きそうな場面には必ずおとながいるなど)いじめそのものを止めてもらいましょう。また、いじめをした側に「そんなことをしてはいけません」ではなく、それが相手にとってどんなに辛い思いをさせているかをていねいに伝える指導をしてもらうようにしましょう。一番辛いのは子ども自身ですから、親がまず子どもの味方になって、学校と対応することが大切です。

No.8  プールに入れてもらえません 

■ 質問

①おむつをしているからとプールに入れてもらえません。
②車いすの子は、危険だからプールに入れないと言われました。

■ 答え

今年もプールに入れてもらえないという相談がいくつかきていて、まだ日本の教育はこんな程度かとがっかりします。パラリンピックの成功を言う前に、プールに入れない子を入れるようにすることのほうが、よほど大事な行政の役目だと思うのですが…。

学校は、教育をするのが仕事で、教育を受けさせないということはあってはいけません。障害者権利条約では他の子(人)と違う扱いを受けることが「障害」であり、その「障害」を除去するための配慮が「合理的配慮」であると言っています。つまり、この場合、子どもがみんなと一緒に入れるようにすることが「合理的配慮」なのです。入れさせないことではなく、入れ させることが管理者の責任です。

おむつをしている子は水をよごすというのであれば、おしっこも汗と同じ成分ですから、汗をかく子も入れさせられません。うんちは、確かに大腸菌に問題がありますが、実はどの子にもおしりにうんちはついているわけで、その子だけが拒否される理由にはなりません。つまり、おむつをしている子がプールに入ってはいけない理由は何もないのです。

「車いすの子は危険」についても同じです。危険は、どの子にもあるわけで、すべての子について、どういう危険があり、そのためにどういう手立てをしようとしているかを学校は明らかにしなければなりません。車いすの子だけ手立てができないというなら、それは明らかな障害による差別です。

実は、この子たちがプールに入れない「障害」は管理者の差別心だけなのです。入れさせられない本当の理由は何かを聞いて、それが上記のようなことであれば、その間違いを指摘し、他に理由がなければ、入ることに問題はないのではないかと確かめてみたいですね。

入れさせない努力ではなく、入れさせる努力をしてほしいと言ってください。

〈参考〉
学校のプールで子どもが大便をしてしまった場合の健康への影響について、東京都福祉保健局健康安全部環境衛生課は、「塩素が消毒するので問題ない。プールの水を取り替える必要すらない」と言っています。また文部科学省の【改訂版】学校環境衛生マニュアル「学校環境衛生基準」の理論と実践の第4水泳プールに係る学校環境衛生基準 1水質 A検査項目及び基準値の設定根拠の解説では、 (1)遊離残留塩素の説明に遊離残留塩素濃度0.25mg/ で大腸菌が死滅するとの記載があります。学校のプールは残留塩素濃度が0.4mg/ 以上であることを求められているのですから、プールで大便をしてしまっても全く問題はありません。おむつをしているかどうかなんて論外です。

No.9  宿泊行事に親が付き添うように言われそうなのですが 

■ 質問

中学生です。近く、宿泊行事があります。今、学校に呼び出されています。宿泊行事で付き添うように言われそうで す。親としては付き添いたくないのですが、どう返事をしたら良いでしょうか。

■ 答え

「行きません」と、はっきりことわりましょう。

宿泊行事も、学校教育の中の一つです。何らかの事情で手助けが必要な子もいます。かりに「障害」があって手がかかる、安全上心配、医療的ケアが必要であるな どの子もいるかと思いますが、それは、親がすることではありません。学校や行政が、人手を増やす、看護師を配置するなど工夫してその子がみんなと同じよう に参加できるように配慮しなければなりません。ですから、もし、その手立てができなくて親に頼むとするなら「大変申し訳ありませんが、今度の宿泊行事にどうしても人手を増やすことができないので、おうちの方に行っていただけないでしょうか」と、頭を下げてお願いする話です。

もっとも、予算がないとか人手がないというのは、親に付き添わせるための口実でしかありません。オリンピック、パラリンピックにどれだけのお金を使って いるかということを考えれば、子ども一人の宿泊行事に対応するぐらい、やる気さえあればできることです。子どもの権利条約(2条・23 条)にも、障害者権利条約(24条ほか)にも、そして憲法にも障害児(すべての子に)に対して教育、学習参加は保障されなければならないと 書いてあります。それをしないのは、行政の怠慢でしかありません。他の子には親の付き添いを要求しないで、障害のある子だけに付き添いを要求してくる、こ れはあきらかな「障害による差別」です。

学校は、親がそういうことを知らないと思い、親が付き添ってくれればと、安易に親に要求し、承諾が得られれば、自分たちは何もしなくてよかった、という ことですませようとしています。場合によっては、付き添わないと連れていかないぞ、みたいな脅しをかけてくることもあります。

こういった「攻撃」に対して、はっきりこちらは「付き添いません」という意思を示し、子どもが参加するために必要な配慮(合理的配慮)は、学校がするべ きことではありませんか? と伝えましょう。

子どもからみれば、友だちどうしで行くからこそ楽しい宿泊行事に、親がついてきたら、たまったものではありません。子どものためにもことわりたいです。

相談の中には、その子だけ別の乗り物で行かせるとか、別メニューするとかの話もあります。事情によっては、やむをえないこともあるかもしれませんが、こ れらについても先生の都合ではなく、親の立場からみて、やってほしくないことがあったら、はっきりことわりましょう。

No.10  学校から、支援級に行ったほうが子どものためになると言われ、困っています 

■ 質問

 小学校低学年。今までそういうことはなかったのに、最近、不安定で落ち着かず、授業中に立ち歩いて勝手に教具をいじったり、友だちにいたずらした りして、先生からも強く叱られているようです。担任や学校からは、支援級に行ったほうが子どものためになると言われ、困っています。

■ 答え

子どもがそういう行動にでるのは、子どもが悪いわけではありません。今までなかったことが始まったというのは、自分のことを分かってほしいという 一つのサインかもしれません。

担任や学校は、支援級を勧めているようですが、支援級に行って子どもの問題が解決するわけではありません。今、支援級や支援学校から全国連絡会への相談がたくさんきています。支援級、支援学校の先生たちの対応が子どもにはつらくて、どうにかならないかというものばかりです。おそらく学校、担任は、そうい う実態も知らずに、場所を変えれば子どもがよくなるような思い込みであっちへ行けと言っているように思えます。

大事なことは、場所の問題ではなく、子どもと向かい合うべき周りのおとなたちが、その子と真剣に関わろうとしているかどうかではないかと思います。子ど もの行動をひとつのサインと受け止め、その子が何をうったえようとしているのか、その子の心の中に何があるのか、思いを寄せることです。

自分の思いを分かってくれないおとなが、いくらその子を強く叱ってその行動をやめさせようとしても、子どもは変わりません。まして、先生が、この子はこ の場所にいるのは良くないと思っているとしたら、子どもはそういう先生の気持ち、自分ととことん付き合おうとしないで自分のことを否定ばかりしている先生 の気持ちを見抜き、もっていきようのない気持ちを、マイナスの行動で表します。

子どもと付き合うときに必要なのは専門性でも、技術でもありません。先生が、この子としっかり向き合おうとしているかどうか、それだけです。子どもがして はいけないことをしたときは、叱ることより「どうしてそんなことをしてしまったのかな?」とまずは語りかけ、言葉に出しにくい子どもの心を読み取ることで す。そうすることで、少しずつ子どもは心を開いていきます。すぐにうまく行くわけではありません。離れた子どもの心を取り戻すには時間がかかります。あせ らずあきらめず、じっくり子どもと向き合うことです。どんなことがあっても、私はあなたと一緒だよと根気よく伝えることです。

以上のことを参考に、担任には、「あっちへ行け」ではなくて、あなたこそがこの子を救うことのできる唯一の人だということを伝え、子どもと向き合うことを お話しましょう。子どものしていることが変わらなくても、わかってくれる人がいるということだけで、子どもは安心して、無理なことはしなくなると思います。

No.11  ソーシャルスキルトレーニングを受けるように言われているのですが 

■ 質問

小学校低学年です。落ち着いて授業を受けられなかったり、周りの子にちょっかいを出したりしていることで、学校からもっと社会性を身につけさせなくてはいけないと、ソーシャルスキルトレーニングを受けるように言われています。どう答えたらよいでしょう。

■ 答え

結論から言えば受ける必要はないと思います。

と言う私も、ソーシャルスキルトレーニングがなんだか分からなくて、少し調べてみました。「指導者」が、「問題行動」をおこすと言われる子どもに接して、子どもを周りとうまくやっていけるようにするものかなと思いました。具体例もいくつかありました。周りとトラブルの多かった子どもが、ロールプレイなどを通し、自分の悪かったところを見つめ、どう直したら良いかを考えるようになって周りとうまくいくようになった。「指導者」は、まず、子どもが安心して自分を出せるように接して信頼関係をつくり、子どもが困っていることなどを話してもらって、心の安定をはかった、学習の苦手な子には、完璧にできなくてもよいことを伝え、その子なりにできるところを評価しながら、自信をもたせた。

これだけ聞くと、これで子どもがよくなってくれたらいいなあと思われる方も多いかと思いました。でもよく考えたら、これって私が一教員として子どもたちに接するときにずっと考えてきたことでした。というか、ロールプレイを除けば、教員として当然子どもに接するときに考 えなくてはいけないことだと思いました。特別な専門性などなくても、その子を大事にしたいと思えば自然とそうなるのです。そして、ロールプレイなどしなくても、毎日の生活そのものが人間関係の学びになっていって、何かあったらその場でその子も周りの子も考え合うことのほうが自然に思いました。

こういうトレーニングをすることで社会性が身につくということで、ちょっと怖さを感じたのは、社会性とは誰のための社会性かということです。学校という枠にはまる子、先生にとって言うことを聞くよい子、それを社会性と言うのでしょうか。今のうちに社会性を身につけてお かなければ将来大変な子になる、と言われるそうですが、小学校時代けっこう勝手にやっていた子たちが、そんなトレーニングを受けなくても、大きくなったら、大概はしっかり生きています。むしろ、いわゆるよい子たちに大きくなって心配なことが起きてきたりしています。そのどちらが良いとか悪いとかではなくて、人間誰しも生きていく中では、よいときもあれば大変なときもあるのですから、それを無理して変えようとするのではなく、周りとの関係の中で考えていくことが大切ではないかと思います。ソーシャルスキルトレーニングそのものは、医学モデルの考えで成り立っているように思いました。

担任の先生には、それがどんなことをやるか知っているかと聞いてみて、知っていたら、まずは先生が、そんな風に子どもと接していただければと伝えましょ う。みんなの中でこそ、子どもは育っていくことをわかっていただけたらと思います。


 

No.12  特別支援学校に転校するように言われて困っています 

■ 質問

 特別支援学級にいます。できないことが多いからと、担任や校長から特別支援学校に行くように言われています。地域の学校に通いたいのでここにい たいと思っていますが、転校するように何度も言われて困っています。

■ 答え

 転校する必要はありません。特別支援学校に転校する気持ちがないことをはっきり伝え、もう二度とこういう話はしないでほしいと強く訴えましょう。

普通学級にいて、できないことが多いと特別支援学級に行きなさいと言われます。特別支援学級にいても、できないことが多いと特別支援学校に行きなさいと言われます。特別支援学校に行ってできないことが多かったらどこへ行ったら良いのでしょう、と言いたくなりますね。

だいたい、場所が変わればその子は「できる」ようになるのでしょうか。

普通学級の先生の中には、支援学級にいけば特別な手立てがあって、その子をできるようにしてもらえるという「幻想」 を抱いている人も多いようですが、私が経験してきた範囲で言えば、そんなことはありません。何ができるかはともかく、 多くの仲間に囲まれて育った子は、トラブルをおこすこともありますが、そういうことを通して、友だちからたくさんの ことを学び、成長していきます。分けられた所では、少人数な分、先生との関係は増えますから個別に丁寧に教えてもら えていいように思いますが、そこで何かができるようになっても、それを生活の中で生かせるわけではありません。

「この子のためにはあっちへ行った方がよい」という言い方もされますが、本当に先生がこの子のためを思うなら、ま ずその先生がその子と向き合わなければならないと思います。その子のためを本当に思う先生は、他で良いことがあると 思うなら、そこでどんなやり方がされているかまずは自分で学んで、それを自分のその子との関わりの中に生かそうとす るでしょう。「先生、あそこが良いと言いますが、あそこでどんな教育がされているかご存知ですか。そのやり方が良い と思うなら、ここで、そのやり方でやってください。まずは、この子としっかり付き合ってください」と、言ってみましょ う。

そもそも、できるとかできないとか、それが人間としてどれほど大切なものかと思います。大切なのは、できることが たくさんあるからいいとか、できないことがあってはならないと考えることではなく、できなくても、助けたり助けられ たりする関係をつくっていくことだと思います。先生から見れば、できないことが多かったり、教室の中でいろいろ問題 を起こしたりする子は困った子であり、ここにいてはいけない子になるのかもしれませんが、実はそういう子がたくさん いるからこそ、ときにはいやな思いをさせられたりしながらも、子どもたちはお互いのことを考え、学び合っているので す。できるだけ、たくさんの子どもたち と関わり合える場所に子どもたちをいさ せてあげられたらと思います。

No.13  子どもに支援員(介助員)を要望したいのですが… 

■ 質問

この春、就学予定です。普通 学級を希望していますが、子どもにはトイレや着替えに介助が必要で、支援員を学校に要望したいと思っています。どのように要望したらよいでしょうか。

■ 答え

支援員を要望するよりも学校がきちんと対応(支援)してくれるように要求しましょう。

普通学級をご希望とのこと、ぜひ、最後まで希望を言い続けて実現できたらよ いと思います。ただ支援員を要求することはしないほうがよいかと思います。本 来、普通学級入学については、本人・保護者の意向が尊重されることになってい ますから、まずは、普通学級就学を実現することを考えましょう。

どういう支援が子どもに必要かという細かい話はどこかでしなければいけませ んが、学校や自治体の責任として支援(合理的的配慮)をするべきことが前提にな りますので、安易にこちらから支援員を要求しないで、安心して子どもが学校生 活を送れるような支援をしてほしいと伝えてください。自治体(学校)によっては、 保護者の付き添いを要求してくることがありますが、それははっきり断ることが 大切です。その子にとって必要なことは、学校や教委が考えなければいけないこと で、その中で学校等が支援員が必要と考えれば、行政の責任で支援員をつけるこ とになるかもしれませんし、支援員はいなくても先生方などの学校体制でフォ ローできれば、それに越したことはありません。支援員(介助員)の存在は、周 りの子どもたちの支え合う関係を奪ったり、担任が支援員任せになってその子と 向き合おうとしなかったりするなど、問題点も多くあります。学校が支援員をつ けると言っても、支援員をつけないでほしいと断り続けた方もいます。

支援員については、制度化されていて必要があれば学校に支援員を派遣するよ うな所もありますし、逆に支援員制度がないからとそれを理由に普通学級に入っ てはいけないような言い方をしてくることもあります。制度がないとか予算がな いなどの言い方は、それによって親の普通学級入学をあきらめさせるための常套 手段ですから、そういった言い方に惑わされてはいけません。制度がなかろうと 予算がなかろうと支援をしなければいけないのは行政の責任ですから、こちらが 遠慮することはないのです。支援ができなくて謝らなければいけないのは行政の ほうです。少なくとも、学校に1名くらいの支援員がつけられるように国では予 算がとられていること(その使い方については自治体任せになっているので必要 な子に回ってくるという保障はありませんが)も参考にしてください。

自分の子どもに何もしてくれないのではないかと不安をもたれるかもしれませ んが、まずは学校を信じましょう。もし、それで子どもに困ることがあったら、そ の時には、子どもを守るのが学校の役目ではないかとはっきり伝えたら良いでしょう。

No.14 保護者会で子どものことを話せと言われたが… 

■ 質問

 発達障害の子の親です。学校から子どもの「障害」のことを保護者会で説明してほしいと言われました。わざわざそうい うことをする必要があるのでしょうか。また、話すとしたらどんなことを話したらよいのでしょうか。

■ 答え

 特別に時間をとって説明する必要はないと思います。学年初めの保護者会では、ひとりひとり自己紹介をするようなことが 多いかと思いますが、そういうときに、誤解のない範囲で「うまく言葉が伝わらないことがあります」とか「感じやすい子です」 「音に敏感で、先生の叱る声もいやがります」などと、「障害」というよりも、子どもの性格としてとりあえずは話しておけば よいと思います。

子どもの様子がどこか心配で医者に診てもらったら「発達障害」と言われ、そだったのかと「障害」を前向きに受け止めて納得 できたり、親のせいではなかったとほっとできたりしたら、それはそれでよいと思うのですが、実はどの子にもそれなり の問題はあります。あまりしゃべらない子、元気すぎてすぐに手が出てしまう子、授業中になかなか落ち着けないで手遊びばかり してしまう子、はしゃぎ過ぎる子等々、問題のない子など一人もいないのです。うちの子には何も問題がないという人がいた ら、むしろそちらの方が心配です。

この欄でいつも書いていますが、子どもがいろいろなことをするのは、その子なりの表現です。授業中に手遊びをする のは、先生の話がつまらなくて退屈だからということが多いです。手遊びでもしていた方が気が紛れて、かえって先生の 話が聞けたりします。学校というのは、とかくみんな同じを要求されますから、それが耐えられない子は、様々な形で抵 抗をします。それが先生に理解されなくて、授業中、先生に叱られるとそのいらいらを友だちにぶつける、さらにそのこ とで先生に叱られる、という悪循環がその子に起きてしまうこともあります。本当は、そういう子は、とても気持ちが細 やかでちょっとしたことがすごく気になったり、他の子を叱る先生の声がつらかったり、自分の気持ちに合わないこと をやらされるのがいやだったりするのです。それを押しつけているおとな(先生)の方が問題なのに、いけない子とされ、 発達障害と言われ、保護者会で子どもの説明を親がしなければいけなくなったりします。

自分の子どもの障害をみんなに伝えるのはいけないことではないかもしれませんが、慎重にしないと、誤解を生み、その子 が周りの子から偏って見られたりします。

学校が、その子の親に対して他の親に説明を求めるということは、何かあったとき にそれがその子のせいだとしたいからかもしれません。その子がそういう行動をする のは、実はその子のせいではなく、先生の対応が問題なのに、自分は悪くない、その 子の「障害」のせいだとすることで、責任を逃れようとしているようにも見えます。

子どもの行動で心配なことは、まずは担任によく話し、何かおきたときは、すぐ に叱らないで子どもの話を良く聞いてほしいと伝えることが大切だと思います。担任 の対応が変われば、子どもは安心できますから、多少のごたごたはあっても、落ち着 いた学校生活ができるように思います。

No.15「子どもの将来をどう考えていますか」と言われたが… 

■ 質問

  小学校低学年、知的障害があります。普通学級で元気に学校生活を送っていますが、年度末に学校から呼び出され、担任や 校長から子どものできないところばかり並び立てられました。さらに「この子の将来を考えていますか」と責めるように言われ、 この子のためには支援学校に行くべきだと言うのです。反論もできずに一方的に言われてひどく傷つきました。普通学級から出 るつもりはありません。これからどう対応していってよいか不安です。

■ 答え

 一時、障害者権利条約の影響もあって、共に学ぶことについてそれなりに理解を示そうとしていた学校・教委が、「分 離教育こそその子のため」と堂々と言うようになってきました。文科省が、「分離教育もインクルーシブ教育システム」などと 言っていることから、普通学級に障害児がいることは間違っていると思い込んでいる人たちが、親子を責めたてているようです。

特別支援教育そのものが、共に学ぶ教育の本質をねじ曲げてスタートしていることがまずは問題なのですが、その特別支援 教育でさえ「場からニーズ」という言い方でこれからの教育は、普通とか「特殊」とか言う場所の問題ではなく、どの場におい てもその子のニーズに応じた教育をするべきとしています。知的障害があっても普通学級で学ぶことは当たり前のことですし、 学校はその場でのその子の教育を保障する責任があります。したがって、「この子のためには他に行った方がよい」という言い 方そのものが、その子への教育の責任を放棄していることです。「うまくいかないことはあるかもしれませんが、できるだけの ことをやります」というのがまずは学校の姿勢でなければいけません。

みんなと一緒に学んでいて気づかれていると思いますが、先生のやり方は不十分でも、子どもは周りの子どもたちからたくさ んのことを学び、その子なりの成長をしていきます。それは分離したところでは得られない貴重な学びです。子どもたちが学 校で学ぶのは、計算や文字もありますが、もっと大切なことは周りとどうやって生きていくかということです。困っている子が いたら助ける、うまくいかないことがあったら助けてもらう。そういう日常の関わりがどの子にとっても大事なのです。そのよ うな関係が小さいときから育っていけば、できることが多くなくても、将来の心配はいらないでしょう。分離教育をやり通して きた日本では、残念ながら、大きくなってからの心配はまだまだ残されています。でも、その将来を考えるのは親ではなく、学 校であり行政です。

分けられた所で学んだことで、将来の保障があるかと言えばそうではないことをほとんどの人たちが感じています。「支援 学校にこの子が行けば、この子の将来を校長先生は保障してくれますか」と聞いてみてください。子どものできないことばかり 言うことも問題ですね。いかにこの子がダメな子で、普通学級にいてはいけない子かを親に突きつけるために言っています。「こ の子に良いところはないんですか? 子どもの良いところを見つけてどう伸ばすかを考えるのが教育ではないんですか。できな いところがあるなら、それをどうしたらよいかを考えるのが学校の仕事ではないですか。他の子は、できなかったら丁寧に教え る、障害のある子はあっちへ行けでは、障害による差別でしょう」と言い返したいですね。

No.16 学校から付き添ってくださいと言われたとき、どう答えたらよいでしょう。 

■ 質問

 小学校低学年、発達障害があります。学校からこの子の学力保障や安全のために 付き添ってくださいと言われました。子どもは、親が学校に来るだけでもいやがります。どう答えたらいいでしょう。

■ 答え

「付き添いはしません」とはっきり断るのが一番良いと思います。

子どもの様子でも分かるように、教室の中で自分だけ親がいるのはいやなもので す。学校は、親と離れて生活するところですから、親がいて良いことはありません。

学校にお世話になっているという後ろめたさがあるために、ついつい断りにくく なってしまうかもしれません。そこで、「仕事がありますから」とか「下の子が小さく て」とか何か断る理由を見つけて言いがちですが、そういう断り方はしないほうが良 いと思います。「子どもにとってそれは良くないと思うから付き添いません」とこち らの考えをしっかり伝えることが大切です。

学校の教員の中には、障害をもっている子には親が付き添うことが当然のように 思っている人がまだたくさんいます。インクルーシブ教育ということは知っていても その本質はわかっていなくて、校長も担任も、それが自分の役割のように何の罪意識 ももたずに、付き添いを要求します。しかし、「障害児には親を付き添わせろ」など ということは文科省も言いません。問題の多い特別支援教育の考え方の中でさえ「付き添い」という言葉はありません。支援す るのは親ではなく、学校であり行政です。他の子に付き添いを要求しないのに、障害 児には付き添いをさせようというのは、実は「障害を理由とした差別」であり、子ど もの権利条約に違反していますし、合理的配慮をしないのは、障害者権利条約に違反 しています。これらは行政、学校の怠慢です。学力保障も安全への配慮も親にさせる ことではなく、学校が責任をもってしなくてはならないのです。

たいして危険ではないのに、親に付き添わさせるがためにそういう言い方をしてく ることもあります。「安全の保障は学校のすることではないですか?」「教委などに 申し入れをしたのですが?」と聞きましょう。「人手が…」「予算が…」「市(区)の 決まりで…」などと言われることもあります。額は少ないですが行政からも予算はお りているはずです。どんな決まりがあってどんな予算の使われ方をしているか、確か めたいですね。(支援員がいることが本当に良いかどうかは、また考えなければいけ ないことなのですが…)

ふだんの授業だけではなく、水泳指導、遠足、宿泊行事などでも同じことが言えま す。特別な事情のない限り、付き添いは断りましょう。国会に障害者が入るというこ とでの対応の素早さや、オリ・パラのバリアフリーについての都知事のチエックなど は報道されていますが、子どもはもっと大事にされなければいけないのではないで しょうか。都知事には、まず、学校をチエックしてほしいですね。

No.17 席はいつも一番前でいいのか 

■ 質問

 教室で、子どもの席がいつも一番 前です。担任の先生は配慮してそうして くださっているのでしょうが 、他の子は 席替えがあるのに、これでいいのかと気 になります。一番前だけでいいのでしょ うか。また、今の ような疑問を担任に伝 えるにはどうしたらよいでしょうか。

■ 答え

  席がいつも一番前というのは、 よくないと思います。他の子がいろいろ な席を経験するように、黒板の字が見え にくいなど特別な事情がない限り、お子 さんにもいろいろな席で学習できるよう に担任の先生に話してみたらどうでしょ うか。

こういう私も、実はまだ、教員として の経験が少ない頃、たまたまクラスにき た子をいつも一番前にしていました。 小 学4年生のその子は、字でいえば、自分 の名前も半分ぐらいひらがなで書けるか な?   数は、5までぐらいしか数 えられ ないかな?   という子でした。そこで、 みんなと同じことをするのは無理かと思 い、他の子に分数の計算とかを 教えてい るときに、その子には四角いタイルを机 の上において、そのタイルの数をノート に書かせたりしていました。 他の子にい ろいろ説明しながら、ときどきその子の 机の上をのぞいて、○をつけたり、次の 指示をしたりしていました。 そのために は、その子が一番前にいてくれるのが、 一番やりやすかったのです。

ところが、あるときそれを見ていた同 じ学校の先輩教員が、「片桐、なんであの 子をいつも一番前にしているの?   一番前は、 先生にとっては便利かも知れない けれど、その子は他の子のことをいつも 見られないんだぞ。他の子と同じように いろいろな席にして、 いろんな子と隣り あったり、後ろから他の子の様子を見て いたりした方がずっと勉強になるんじゃ ないのか」

言われてみればその通りでした。私が いかに一番前で数や文字ができないから とその子用の教材を用意しても、そのこ とで彼は文字 や数が憶えられたわけでは ありませんでした。彼が文字や数を憶え ていったのは、クラスの友だちと一緒に 生活する中で楽しかったり (友だちと一 緒に近くの繁華街に遊びに行って「かま た」が読めるようになった)、必要に迫ら れたりしながらでした(鉛筆をたくさん 持ってきて友だちにとられまいと必死に なり、鉛筆の数を確認、 20 本のうちの1 本が足りないことがわかって、怒り出し た)。同時に、 授業の時間はみんなと同じ ことを彼も学んでいくことで、できるで きないはともかく、分数とか面積とか日 本の地図とか理科の実験とか、 他の子と同じように体験することができました。

担任には、気配りについての感謝の言 葉を述べながらも、親の気持ち(要望) として、今この子にとっての大事な学び は、まずはた くさんの友だちの様子を見 たりしながら、友だちから学んでいくこ とだと伝え、いろいろな席にしてもらう ようにお願いしたらどうでしょうか。

No.18 特別支援学校の体験入学を勧められた のですが 

■ 質問

小学校6年生です。事情があって 就学相談を受けたところ、特別支援学校という判定が出たので支援学校に行きな さいと言われました。 それを断ると、「まず、特別支援学校を体験入学してみてください。それでも希望が変わらなければ 希望通りでいいですから」と言われました。 特別支援学校の体験入学はしたほう がよいでしょうか。

■ 答え

特別支援学校の体験入学には、 行かないほうがよいです。

体験入学というと聞こえが良いのです が、これは普通の 「見学」とは違って(東 京などでは)受け入れる側(支援学校側) がその子の様子を見て、そのデータを就 学相談の担当のほうに送るのが目的で行われるものです。

東京のある区では、特別支援学校に子 どもを送ることが自分の使命だと感じている相談員がいて、毎年のようにその区からは上記のような相談が来ています。 初めは、親子の希望を受け入れるような 言い方をしてやさしく体験入学を勧める のですが、体験入学をしたら最後、就学 相談時の支援学校からきた資料 (子どもの様子)をもとにその子のできないことを並べ立て、これで地域の学校なんて行 かれるか、とたたみかけられます。結局、親子は特別支援学校を 希望したことにされ、泣く泣く支援学校に行かされる、こういった話がたくさんあります。最後まで希望を言い続ければ大丈夫なはずですが、口達者の相談員 の圧力(脅しのようなものの言い方)に負けてしまうのです。

ところで、この時期、各地で就学時健 康診断が行われ、それに基づいて就学相談が行われているかと思います。

障害者基本法の 16 条には、親子の意向 尊重が明記されていますから、希望を最後まで言い続ければ通るはずなのですが、 上記のように就学相談にかかると、相手 のペースで勝手に話が進み、最後は希望とは違うところに、そこを希望したかのように 入学先を決められてしまうことが 多々あります。

基本は、就学時健康診断、就学相談に は行かないことです。就学時健康診断は、「健康診断」と言いますが実は子どもの振 り分けを目的にしているものです。「障害 児」の疑いをもたれると就学相談に行くように言われます。就学時健康診断を受けな ければいけない法的な義務はありませんから、教育委員会や学校からは受けなくてはいけないような言い方をされますが、電話などで、 学校(教委)に「受けません」と伝えれば受けなくてすみま す。

また、就学相談は相談ではなく、就学 先を一方的に決めるところです。相談しようと思って行っても、相談はしないで、就学指導 (支援)委員会が決めた就学先に行かせようとしますので、こちらの希 望がはっきりしていたら行く必要はありません。

困ったこと、わからないことがありま したら、遠慮せずに全国連絡会にメールか電話でご連絡ください。「障害児が学校へ 入るとき」という本もでていますので 参考にしてください

No.19 話すことも座ることもできない のですが…

■ 質問

来年小学校就学です。私の子ども は話すことができません。座ってもいら れず、声をよく出します。トイレ、着替え、 食事等にも介助が必要でとても心配です。親としてどうすれば良いでしょうか

■ 答え

何も心配することはありません。 どうすれば良いかは、親が考えることで はなく、学校が考えることです。学校の ことは学校にまかせましょう。

学校では、お話できて、席に座っていて、授業中も静かにしていなければいけないと考えたら、そうでない子はいづらくな ります。でも、そういう子は学校にいてはいけないのでしょうか。そんなことは ありません。学校は、いろいろな子がいると ころです。いろいろな子がいていいし、いろいろな子がいなくてはいけない ところだと思ってください。教科の勉強 だけが学 びではありません。いろいろな 子と出会い、この子(人)とどう付き合っ たらよいかを考えるのは、もっと大切な 学びです。

私が付き合っていた子の中に1時間中 大泣きをしていることがよくある子がいました。大声で泣くので周りの子は「うるさい なあ」と言います。私も「うるさいねえ」と言います。でも、「静かにしなさい!」と言って泣きやむわけではありません。 それは、その子の表現なのですからそれを受け入れるしかありません。 うるさい中でその子といっしょにどう授 業を進めるか、 あまりうまくいったことはありませんでしたが、その声のおかげで、実は子どもたちは授業に集中していることに、あるとき気が つきました。うるさいことは不快に感じるかもしれませんが、子どもたちはそれをいつしか受け入れていたのです。

その子は、「だだだ」という声は出しますが会話になりませんでした。でも、周 りの子どもたちは、その子の仕草や声の出し 方から、その子が何を言おうとしているかを聞き取るようになりました。そしてその子がしゃべっていたことに気がつきました。

その子はトイレも食事も着替えも一人 ではできませんでした。支援員もいない 時代、初めのうちは私がだいたいやりました。 先生は忙しいからそんなことでき ないと言うかもしれませんが、それにどれほどの時間がかかるでしょう。人が困ったら助ける のはお互い様だと考えればそ れは当たり前のことだと思いました。そその子はトイレも食事も着替えも一人 ではできませんでした。 支援員もいない 時代、初めのうちは私がだいたいやりま した。先生は忙しいからそんなことでき ないと言うかもしれませんが、 それにどれほどの時間がかかるでしょう。人が困ったら助けるのはお互い様だと考えればそれは当たり前のことだと思いました。 そのうち、周りの子がそれをやってくれるようになりました。

初めのうちは、席にもなかなか座りませんでした。席を立ったら手をつないで、 席に戻るようにしました。やがて子どもたち がやってくれるようになりました。

私は、その子と出会ったことによって、 たくさんのことをその子や周りの子から教えてもらいました。「障害」はその子にあ るのではなく、周りの受け止め方にあ る、というのが障害者権利条約の考え方です。その子がいることが、実はとても 大事なこ となのです。自信をもってお子さんを入学させてください。

No.20 入学前にあれこれできるように と幼稚園の先生が…

■ 質問

来年小学校就学です。普通学級に 入るということで、学校からは、これだ けのことはできるようにさせておいてく ださいと言 われ、幼稚園の先生は一生懸 命子どもを指導してくれています。しか し、そのせいか、最近子どもの行動に落 ち着きがなく、 乱暴になってきたと幼稚 園から言われ、困っています。どうした らよいでしょうか。

■ 答え

  学校に子どもを合わせる必要は ありません。無理な指導をしないように 幼稚園の先生とよく話し合ってみてくだ さい。学校に入 るために、急に今までと 違うことを要求すれば、子どもはストレ スがたまり、今までなかったような行動 をしたりします。まず は、子どもの今の ありのままの姿を受け止め、それでいい んだよという安心感を与えてください。それから、少しずつ、できる 範囲で教え、 できないことで決して叱らずに、できる ことを大事にしながら子どもを見守って ください。

2月頃に、どの小学校も入学前の説明 会をします。そのときに、どんな準備が 必要か、服装や学用品などを保護者に伝 えま す。その中でよく言われるのが、自 分の名前は書けるようにしておいてとか、 着替えやトイレは一人でできるようにと いうこと です。しかし、それを言われると、 それがうまくできない子どもの親は、学 校に入れさせてもらえないような気持ち になって、 あせって急に子どもに「訓練」 を始めたりします。

おそらく、幼稚園の先生も、子どもた ちが学校に入ってから困らないようにと、 善意であれこれしてくださっているのか と 思います。でもそれは入学を前にした 子どもにとっては、ものすごいプレッ シャーになっています。ですから、相談 のようなこ とが起こるのではないかと思 います。

本来、入学前にできなくてはいけないことなどありません。ですから、入学前 の説明でそういう話を学校はしてはいけ ないは ずです。学校にしてみれば、ある 程度子どもが何でもやれれば指導がしや すいのかもしれませんが、それは学校の 都合で子ども の教育とは関係ありません。 学校がやらなければいけないことは、あ れこれうまくできない子がいたら、そう いう子と向き合っ て育てることです。そ れが学校がしなければいけない「教育」 です。学校の仕事です。ですから、何も できなくても、当然学校 に入っていいのです。「みんなちがってみんないい」と教 えるはずの学校が、子どもたちの「できる・ できない」という違いを 否定してはいけません。前回も書きましたが、学校はいろいろな子がいるからおもしろいのです。

多くの親は、入学前になると「そんな ことできないと学校に入れてもらえない」 と子どもを脅かして、何かをできるよう に させようとしますが、そうではなくて、 学校に入ることに希望をもち、安心して 入学できるように子どもと接してくださ い。子 どもがあれこれできなくて親が暗くなったら、それが子どもにとっては一 番つらいことですから、明るい気持ちで 子どもと接して ください。入学前何かできなくても、周りの愛情と柔らかな指導 で、時期がくれば子どもは自然に成長し ていくものです。

No.21 子どもが授業中声を出すことで悩んでいます

■ 質問

普通学級にいます。授業中に声を出す時があります。学校からは、支援級に行くように言われるのですが、支援級に行くつもりはありません。 今後どうしたらよいでしょうか。

■ 答え

子どもが声を出すのは「障害」ではありません。子どもの声が出たときを指導のチャンスととらえるようにできたらいいと思い ます。

松本キミ子さんは、「絵の描けない子は私の教師」という言い方で「キミ子方式」という独自の絵の指導法を提案しています。 教員にとって、どうやってその子とかかわっていいか悩ませる子との出会いこそが、最大の学びの場になると思います。

中には、「私は障害児教育の専門家」と自認している人がいますが、あまり信用できません。その子と付き合ってみなけれ ばその子のことは本当は分かりません。毎日の子どもの様子を見ながら、少しずつ信頼関係をつくり、子どもが理解できていく のです。それは経験や技術、力ではなく、とことん子どもと向き合おうとする教員の姿勢です。子どもから学ぼうという気持ち をぜひ学校の先生に持っていただけたらと思います。

子どもが声を出すのは、子どもの表現です。声は出していけないものではなくて、その声を聞くことが、先生にとって子ども が何を伝えようとしているかを知る絶好の機会です。

赤ちゃんが泣いたときに、親はその声を受け止め、理解しようとすることで、赤ちゃんは安心して声を出し、親の愛情を感じ 取ります。先生もその子が声を出したときにその子が何を求めているかを考え、受け止めようとすることで,子どもの中に先生 への信頼が生まれていきます。そして、「声を出すな」などと言わなくても必要以上に声を出さなくなります。

声を出すことで他の子に迷惑がかかると言われそうですが、他の子も授業中はうるさいものです。どういう場面で声を出した ら良いかがタイミングがつかめなくて、その子の声が目立ったりしますが、そのことで気にしているのは先生だけで、周りの子た ちはあまり気にしてはいないことが多いです。その子もどの子も、声を出すのは自然な子どもの姿なのです。それを押さえつけて はいけません。

先生には、子どもが声を出したときの場面を心に留めていただき、それが何のサインかを考えてもらえるように話してみてく ださい。まずは、「どうしたの?」と優しく声をかけてもらい、授業で退屈しているようなら、それを子どものせいにしないで、 授業の工夫に結びつけてもらえるといいですね。

No.22 「就学希望先小学校の校長の意見 を聞かないと決められない」と 言われましたが

■ 質問

この4月に小学校入学です。地域 の小学校に就学を希望していますが、就学 相談で「支援学校」と判定され、それを断っ た ら、教委から「それでは、就学希望先の 校長と面談してください」と言われました。 校長がだめと言ったら地域の学校に入る ことはできないのでしょうか。

■ 答え

きないのでしょうか。 お答え   就学先を決めるのは、校長では ありません。「親子の意向を尊重」(障害 者基本法第 16 条)したうえで、教委が決 めます。校長にその子が来てよいとかい けないとか言う権限はありません。です から、教育委員会 が、校長の了解をとる ように親に言うことはおかしい話です。 ところが、最近?   校長と面談をするよ うに言われたという 相談が多く、困った ものだと思っています。

教育委員会は、就学相談の判定に従わない親に対しては、かなりしつこく希望 を判定通りにするように言ってくること が多い です。

一つには、決定に従わせるのが自分た ちの役目だと思い込んでいるフシがあり ます。教委の言うことをきかない親がい る ことがいやなのです。

もう一つは、教委が親の希望にそって 決定をしたことで、「なぜこの子をうちの 学校によこしたのか」と文句を言う校長 がいることです。ふだん、人事権を握っ ている教委にはぺこぺこする校長も、こ と支援教育に関しては担当職員に対して 上からもの言いをすることがあります。 それがいやな教委の担当は、親を校長と 面談させて校長から直接断ってもらおう とするのです。詳しい事情がわからない 親からすれば、校長に決定権があると思 い込み、校長から断られたらその学校に は入れないと思わされます。あるいは、 最後まで希望を通そうと思っていても、 こんな校長のところに子どもをあずけた ら何をされるか分からないと「特別支援 学校でいいです」と言ってしまったりします。

いくら、障害者基本法に「親子の希望 尊重」と書いてあっても、その親が「支 援学校でいいです」と言ってしまえば、 この親は「支援学校を希望した」とされ、 「希望通り、支援学校に決定」となって、 本来の希望は生かされません。

基本は、教委から面談を勧められても、 就学先がはっきり決定するまでは面談に 行かないことです。断りにくいかと思い ますが、「もう希望は決まっているので面 談に行きません。決まったら行きます」 とはっきり断りましょう。

最近は、「こんな子はうちの学校で責任 もって教えられません」などと言う校長 も出てきました。ひどい話です。どんな 子でも、どの場にあっても、学校はその 子の教育に責任をもたなければなりませ ん。それが学校の仕事です。

とはいえ、何も知らない親が、教委や 校長の前で話をするのは大変だと思いま す。遠慮せずに、全国連絡会に相談して ください。地域の学校に入ることは、保 証されなければいけません。

No.23 学校生活が始まったらどうなるか心配です…

■ 質問

この4月に小学校に入学しました。席に座っていられるか、勉強は大丈夫か、友だちに何かしないか、先生に何か言わ れないか、心配なことばかりです。

■ 答え

心配はいりません。何があっても正しいのは子どもだと思ってください。

初めての学校生活、慣れない環境の中で、子どもが落ち着かないのは自然です。席に座れないことも当然あるでしょう。 子どもによって違いますが、早ければ1ヶ月、あるいは1学期間、あるいは1年間、少しずつ子どもは落ち着いてきます。早 ければよいということではなく、あるいは席に着くことがよいということでもなく、そういう子をどう受け止めていくか は、先生の仕事ですから、先生にがんばってもらってください。

先生は大変かもしれませんが、決して子どもを悪い子と決めつけないで、楽しく付き合ってもらうようにしてください。 私の経験から言えば、席に座ってほしいときには声をかけ、あるいは手をつないで席まで連れてきたりしました。わざと 面白がって席を離れる子もいましたが、そのときは困ったなと思いながらしばらく様子を見て、座る、座らないより、どうやったらその子が授業に参加できるか をあれこれ考えたりしました。うまくいかなかったときのほうが多かったと思いますが、後から考えれば、そういうやり とりが、お互いに勉強になり、子どもの成長につながりました。

勉強もできなくていいです。できないから教えてもらうのですから、それでもできないのは子どもが悪いのではなく、 先生が悪いと思ってください。それでも、よく見ていると子どもは毎日のように成長しています。毎日新しい発見がありま す。昨日言わなかったことを今日しゃべったとか、昨日できなかったことが今日できたとか。そういう発見を学校と親と共 有していきましょう。先生が気がつかなくても友だちが教えてくれたりしますから、すぐに先生に報告して一緒に喜びま しょう。友だちと比べないこと。その子なりの変化を大事にしてください。

 友だちは、先生以上にその子をよく見ています。その子のお手伝いに夢中になる子もいますが、それはほんの一時で、 ときに厳しく、ときに助け合う関係が生まれていきます。中に意地悪な子もいますが、それも大切な人間関係です。表現 がうまくできなくて、友だちの毛をひっぱったり、たたいたりすることもあるかもしれません。実は、それが友だちへの 声かけであったりするので、「友だちになりたかったんだね」などと、そこは先生に通訳してもらってください。慣れれば、 そんなことも自然に周りが受け止めるようになります。私の受け持った子で、頭突きをすることがその子の表現というこ とがありました。頭突きされると本当に痛くて大泣きする子が続出したのですが、だんだん慣れてきて、よけるのが上手に なりました。「頭突きされるのはいやだけど、でも友だち」と、周りの子は受け止めていました。そして、その子が何か言 うと、はっきり聞き取れなくても、一生懸命聞いていました。

先生には、子どもを悪い子、いけない子とは見ないでほしいと伝えたらよいと思います。



No.24 この子がここにいてはいけないと思っている先生にどう対応するか

■ 質問

この4月に小学校に入学しました。さっそく担任と話をしましたが、担任は、この子の将来をどう考えているかとか、別 のところに行った方がこの子のためになるとか、そういう話ばかりをします。うちの子をちゃんと見てくれるのかと心配に なります。どう対応したらよいでしょう。

■ 答え

残念ながら今の学校のほとんどの教員は、まじめにそう考えています。でもあきらめてはいけません。この子は ここにいてはいけないなどと言うのは、障害による差別です。ただ、担任の先生は差別とは全く気づかずに、善意でこの ような発言をします。

そんなとき「先生、先生はこの子がかわいくないんですか。この子はここにいてはいけないと本気で考えているんです か」と聞いて見たらどうでしょう。

 先生にとって子どもはかわいいですし、子どもの成長はうれしいものです。子どもは大切なお客さん。障害があるとかな いとか関係なく、そのクラスに入った子はみんな、大切な子どもです。

 入学式の後などで担任の先生は、クラスの子どもたちにこんな挨拶をよくするでしょう。「みなさん、よく来てくれまし たねえ。みなさんに会えてうれしいです。みんな、私にはとても大切な子どもたちです。これからいっしょにやりましょう」 だとしたら、「先生、うちの子は、例外ではないですよね」と確認してみましょう。

 子どもたちはひとりひとり違います。中には、言うことを聞かない子、席につかない子、授業中騒ぐ子、勉強するのが 苦手な子もいます。実は、そういう子は先生にとって宝です。最初はうまくいかないかもしれません。ずっとうまくいか ないかもしれません。うまくいかなくて悩むこともたくさんあるでしょう。でも、今日がだめなら明日こそ、と思いながら 子どもと真剣に付き合うことで、気がつかなかったことが、ふと立ち止まって振り返ると、実はその子はものすごく成長 していることに、先生は気がつくのです。字が書けるようになったとか、かけ算九九ができるようになったとか、そんな ことではなくて(もちろん、そういうこともあるのですが)、その子と周りの子が楽しそうに話をしていたり、困っている 子がいたら助けにいったり、友だちと素敵な関係をつくっていたりするのです。そこで先生は、この子がここにいてくれ て良かったと思えるようになるのです。その子と出会って一番たくさん学ぶのは先生かもしれません。先生もよく言いま す。子どもから学ぶことが大切だと。先生がうまくできなくても周りの子が教えてくれたりもします。

 前回も書きました。何があっても正しいのは子どもだと思ってください。先生は大変かもしれませんが、決して子どもを悪い 子と決めつけないように、「周りと同じ」を要求しすぎず、まずは楽しい毎日が過ごせるように見守ってほしいと伝えてくだ さい。子どもの将来は誰もわかりません。何ができるようになるかは、子どもが自分で見つけていきます。長い目で子どもを見 つめてもらえるといいですね。



No.25 加配人員を確保した上での入学事例等、ありましたら教えてください

■ 質問

教員です。どの子も一緒はいいですが、教員の加配がなければ安全や他の子の教育の保証ができません。保護者からのクレーム も心配です。加配人員を確保した上での入学事例等ありましたら教えてください。

■ 答え

そういう子が入るということで、正規の教員が増えたという話は聞いたことはありません。ただ、国は支援員確保の予算をとっ ており、それぞれの自治体も予算化して、支援員を配置しているところは多いです。

本来、必要であれば正規の教員を増やすべきですが、その実現が難しい現状でも、行政(学校)がその子の学習や安全について 責任をもって保証するべきではと考えます。

 ただ、人的配置は不十分でも、様々な子どもたちを受け入れてきた学校、教員がたくさんある(いる)ことも事実です。私は、 長いこと教員をしてきていろいろな子を受け持ってきましたが、その子がそこにいてよくなかったと思ったことはありません、確 かに大変だと思ったこと、うまくいかないと悩んだことはありましたが、その子がそこにいることを大切にしたいと思うことで、 たくさんの貴重な体験をすることができました。

 考えてきたことは、その子だけでなく、どの子も様々な問題、課題を抱えているということです。その子が参加できる授業と は何か、逆にその子が居づらい学校とは何か考え、そこを少しずつ変えていくことで、その子も安心して過ごせる学校生活の工夫 をしていきました。そして、それはどの子にとっても過ごしやすい教室になるのだということを感じてきました。先生ひとりがみ んなを教えなければと思うと大変ですが、先生はできなくても子どもたちが助けてくれました。保護者からの、「あの子がいるこ とで…」という話は何度もありました。そんなとき、子どもたちがお互いを思い、いろいろな友だちのことをわかり合うことで、 成長している話をしました。すぐにわかってもらえないことも多かったですが、自分の子どもが変わっていく姿を見て、親たちも わかったくれるようになり、保護者会でもそんな前向きな話し合いができるようになりました。

 支援員もいない時代、学校内で話し合って、お互いに何ができるか、どういう体制をとるかを考え、管理職も含めて協力体制 をとりました。障害児だけの問題ではなく、いじめがおきたときも、学級がなかなかうまくまとまらなかったときも、とりの担任 に任せないでみんなで工夫してやるようにしました。いじめる子に、ここから出て行けとかは言わないでしょう。当然加配もとれ ません。でもどうしたらよいかみんなで考えます。障害児だって、ここから出て行けではなく、みんなで考えることが大切です。 大事なことは、まず、どんな子でもこの子がここにいて良かったと思う先生の気持ちだと思います。

大変でしょうが、ぜひ、現場でがんばってください。



No.26 運動会でリレーや団体競技の参加が難しいのですが

■ 質問

子どもは運動があまりよくできなくて、運動会のリレーや団体競技にはうま参加できていません。運動会での合理的配慮という のはないものなのでしょうか。

■ 答え

運動会も、教育課程の一環ですかすから、どの子にも参加が保証されなければいけません。そのための合理的配慮ということも、 されなければいけないでしょう。今年は、新型コロナの影響で運動会が中止になったり、形を変えて行われたりしているところが多いと聞きます。 中止になって、楽しみにしていたのにとがっかりする子もいれば、やらなくなってよかったと喜んでいる子も少なからずいるようです。

運動会をいやがる子の中には、運動が得意か不得意かということもありますが、強制的に並ばせられたり行進させられたり、踊らされたりすること がたまらなくいやだという子もいます。子どものための運動会がいつの間にか先生のための運動会になってしまうと、それをつらく思う子も出てくるのは当然ですし、 集団行動を強いられる学習に抵抗を感じる感性はむしろ人にとって大切なことのようにも思います。先生たちには、そういう子どもの存在に敏感になって、 本当の意味で子ども中心の運動会にしてほしいですね。

本来、日常の教科の授業でも、それが好きで楽しんで勉強する子もいれば、その勉強がいやで逃げ出す子もいるように、運動会も、みんなが同じことをしなければな らないということではない運動会であってほしいし、少しでも多くの子が楽しんで参加できるような工夫があってほしいと思います。特に、運動の不得意な子、何かの 「障害」がある子も参加できる工夫があったらよいと思います。というか、そういう子をまずは念頭において、競技種目などが考えられることが大事だと思います。 それが合理的配慮ではないでしょうか 

運動会では、どちらかというと伝統的な団体競技や競争が定番になってしまいがちですが、どの子も参加できると考えたときに、それでよいかどうかも問い直さ なければいけないでしょう。リレーをやって、勝敗を競えば、当然足の遅い子のいるチームは負けることになり、その子は辛い思いをする、ということであってはいけなし、 だから、その子を走らせないのもだめでしょう。じゃあどうするか、そこを、リレーをするかしないかも含めて考えたいですね。きっとこうすればというアイデアが生まれる と思います。大玉送りで4人で玉を転がしているのに、実際は3人で転がしてひとりはその3人を追いかけていく、これもなんだか変ですね。組み体操で、危ないからとみんなが 演技している脇で立っているだけ、あるいは初めから「見学」、これもあってはならないと思います。そんなこと言っていたら運動会ができないよ、ではなくて、そこでみんなが 参加するにはどうしたらよいか考えることを、先生たち、親たちが一緒になって、運動会の最初の楽しみにしてみてはいかがでしょうか。 

ピストルの音が恐くて、あるいは音楽の音が大きすぎて、参加できない子もいます。じゃあお休みくださいではなくて、そこも考えなければと思います。 その子が運動会に来られるようにするにはどうしたらよいか、そこが頭のつかいどころ、日頃、子どもに頭を使えとよく言っている先生方に、頭を使ってもらいたいですね。


 



No.27 就学通知が来るまでは、できるだけ何もしない方が…

■ 質問1

地元の学校に行きたいと思い、9月頃に学校に行って校長と会ったら、いきなり「こういう子は支援学級に行くべきだ」と言われ、子どもについての相談は何もできませんでした。 こういう学校にとても子どもは入れる気にはなれませんでした。

■ 質問2

自分の子に障害があるとは思っていませんでしたが、少し心配なので市の就学相談へ、地元の学校で生活するにはどんなことを準備したら良いかと思い、行きました。そうすると、 いろいろ検査をされ、この子は支援学級に行くべきだと言われてしまいました。そんなつもりで相談に行ったわけではないので驚きました。こんなことになってしまって子どもに申し 訳ないことをしたと思いました。今後どうしたらよいでしょう。

■ 質問3

医療的ケアが必要な子どもです。地元で育った子どもたちと一緒に学校に入りたいと思い、市に相談に行ったのですが、市は地元小学校では受け入れられないという姿勢です。何度 も話し合っていますが、話し合いは進みません。

■ 答え

障害者権利条約、子どもの権利条約などの国際条約は、どの子も共に学ぶことを基本としています。それに基づいて改正された日本の障害者基本法第16条では、可能な限り共に教育を 受けること、就学にあたっての親子の意向尊重と情報提供義務が書かれています。つまり、普通学級でも障害児を受け入れ、合理的配慮の提供など学校が最大限の努力をしなくてはいけ ないのです。校長は「分かりました。学校としてできるだけのことをいたしますから安心してこの学校においでください」と言うのが当たり前にならなければなりません。

しかし、相談にもあるように現実は違います。校長は、一方的に思い込んでいる事実ではない情報を、頭ごなしに間違っているのはお前だと言わんばかりに押しつけてきます。 教委も同じです。何も知らない親は黙るしかないでしょう。

なんとかしたいものだと、私たちも思い続けてきましたが、立て前はともかくインクルーシブ教育システムなどと分離教育を正当化している国が基本的な考えを変えていない ところで、現場も何の反省もなく親子をいじめ続ける状況が続いています。

公的機関に相談できないのはおかしいのですが、現実がこうである以上、就学通知が届く1月末までは学校や教委に相談には行かないのが一番良い方法です。すでに行って しまった方は、相談を打ち切ること、続ける場合には、最後までこちらの希望を変えないことが大事です。細かい対応の仕方は、全国連や地元の支援者にその都度、対応の仕方を 相談しながら話を進めてください。すでに、全国連に相談のあった方で、地域の支援者を紹介したところ、話が前向きに進んでいるという報告も来ています。あきらめずにがんば ってください。



No.28 特別支援学級在籍です。普通学級との交流をもっとしてもらいたいのですが…

■ 質問

地域の小学校の特別支援学級に通う小学校一年生の親です。入学時に、地域の学校を希望したのですが、教育委員会の担当は何度も「判定は特別支援学校。特別支援学校に行っ てください」としつこく「障害者手帳をもってますよね?でしたら特別支援学校です」とまで言われました。いろいろありましたが、ようやく地域の学校の支援学級に入ることが で来ました。しかし、通常級との交流がほとんどありません。できれば通常級の授業に参加させたいと思っているのですが、どうしたらよいでしょうか。

■ 答え

就学時は、大変だったんですね。就学時については、今でも同じようなことが全国各地で起きていて、相談窓口にいる私としてはいつも心を痛めています。就学前に全国連絡会 や地域のグループなどと連絡がとれていれば、それが「うそ」とお伝えできますし、教育委員会におかしさを指摘できるのにと思うと、私たちの存在が伝わっていなかったことは 残念です。

この話に出てくる教育委員会の対応は、ほとんど障害者権利条約、障害者基本法などに違反する行為で、親が知らないと思うと、こういう「うそ」をついて親をあきらめさせる のだと改めて思わされました。障害者手帳と就学先とは全く関係ありません。もちろん、支援学校判定が出ても、はっきり断れば、強制的に行かせることはできません。本人・保護 者のの希望が尊重されることは、障害者基本法にはっきり書かれていますし、そのような情報を提供することもしなければいけません。そういう情報を隠しておいて、自分たちの考 えを一方的に押しつけようとするのは許せません。最近、特別支援学校の子どもの数が増えたと言われていますが、その理由がよくわかります。

大変辛い思いをされたと思います。教育委員会や学校が障害児、その親を苦しめることはあってはいけないことです。何が「特別支援」か思います。障害があっても、だれでも地 域の学校に入れるのです。 

お尋ねのことですが、支援学級に入っても、普通学級との交流がほとんどないのが、多くの地域の実態です。強く希望して学校(先生方)が了解すれば、不可能ということはないか もしれませんが、できているところはあまりありません。もし、みんなといっしょにということならば、普通学級に転級するのが一番よい方法かと思います。

これも、そう簡単にはいかないことが多いのですが、あきらめずに手順を踏んで話を進めればできないことではありません。そういう場合は連絡ください。学校や教育委員会との 対応についてアドバイスできるかと思います。少しでも応援できればと思います。全国連絡会の関係では、多くの方が転級を実現しています。

相談では、高校も普通高校へ行きたいとのお話でしたが、全国的に、高校も当たり前に行こうという運動も進んでいます。目標を大きくもって前へ進んでください。