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■ 2001.10.30〜31  両院文部科学委員会傍聴記録


冒頭に「9月11日のテロ事件について」「教育の重要性について」「第7次教職員定数改善計画について」「施設の老朽化−教育予算の引き上げについて」「学校評議員制度について」などの質問(神本さん)と遠山大臣の答弁がありましたが、直接関係がないので割愛します。
神本 病気の人も障害のある人も人種の違う人も、皆が共に生きる社会を作ることが大切であると考えている。サラマンカ宣言はインクルーシブな教育を推進することを確認した。学校教育法施行令において重複障害児や対人関係に問題のある子どもに対する見直しをするというのはどういうことか? 違法になるのか。
大臣 ノーマライゼーションの進展状況や特殊教育について調査を行い、1人1人のニーズに合った教育をすることが重要である。各市町村教委の判断や保護者または本人の希望で普通教育を選ぶこと、現在すでに在学している生徒は、違法ではない。ただし、保護者の意見を聞く機会を設けたり、体験入学などの手段を考えている。
山下 就学基準は政令で決めているが、就学事務は市町村教委が行うはず。
大臣 障害児の決定権は市町村教委にある。
山下 統合教育に向け努力している市町村が多くある中、就学指導委員会はどうなるのか?
大臣 障害の判断は、医師その他の専門家でなければできないので、その委員会を設置することが望ましい。
山下 地域の理解の輪を広げることこそ大切であると考えるが・・・。
大臣 本人の状態を専門家が判断することと、保護者や本人の希望は両方とも大事である。保護者の意向をどのようにして取り入れるか検討中(体験入学など)。
山下 統合なのか分離教育なのか? 障害者の自立、雇用について社会の理解がまだ不十分である。保育園の段階から共に育つのでなければ、大人になっていきなり社会で自立するのは無理。
大臣 障害のあるなしにかかわらず地域社会で共に育つことは基本理念である。しかしもう1つ重要な側面がある。障害児の能力をできる限り伸ばすこと。それには特別な配慮、養護学校や聾唖学校が必要である。そして健常児の理解を広げるためには交流が必要である。

以上でこの件に関しては終わりでした。違法ではないと断言していましたが、基本理念として大臣が考えている運用面とは矛盾があり、不安が残りました。

(記録 千葉県連絡会)

 

2001.10.31 衆議院文部科学委員会傍聴記録

(1)平野博文議員(民主党)の質問(関連する部分)
平野 21世紀をどんな国にしていくのかということと関わる質問をしたい、平成5年に障害者基本法ができて、ノーマライゼーション、障害者が能力を最大限に発揮して自立した生活をし、障害のない人たちと共に活動することが言われている。その中で1月に「21世紀の特殊教育のあり方」の最終報告。この言葉も、これでは全く分かってないなあと思うが、今このことについて、文部科学省としてどんな状況にあるのか、聞きたい。
副大臣 この提言をふまえて具体案を検討中。かたまったところでパブリックコメントをとり、平成13年度中に制度改正を決めて、平成15年度から実施したい。
平野  かたまっていないなら、ぜひ私の意見を聞いてほしい。「障害のあるものとないものが同じ社会に生きるものとして、互いに理解し支え合い、助け合っていくべき」であると報告書に書いてある。とてもいいことが書いてある。それにもかかわらず、改正案は違う方向にいくのではないか。どういう方向に変えようとしているのか。
副大臣 おっしゃるとおり、ノーマライゼーションの進展に向けて報告が書かれている。文部科学省としては、医療・福祉機関と連携した相談支援センターや、交流促進の調査研究で、具体的な成果をあげたい。
平野  教育という世界で能力を最大限発揮できるということは、基盤となる「生きる力」をはぐくんであげるということ。そのとおりならいいが、危惧するところがある。まず、就学手続きの見直しについてだが、今は一律に盲・聾・養護学校に行くことと定めている。見直し案では「例外的に」が入っているが非常に気になる。「例外的に」という発想は実態と逆のことを言っている。私は21世紀になったら、みんなが普通学校で学べるという考え方をするべきだと思う。それがノーマライゼーション。例外的に盲・聾・養護学校へも行けると。従って22条の3項は、21世紀には削除するべき。ところが(これでは)逆の言い方ですよ。
副大臣 統合教育の考え方が提唱されていることは承知している。欧米各国、さまざま。「可能な限り統合された場で・・・場合によっては障害児学校も必要とされる」と理解している。自立のために障害に応じた手厚くきめこまかな指導をするべきだというのが文部科学省の考え方。実態に合うように就学基準を見直す。大きく変化する現実に基準・制度が追いついていかないといけない。
平野  基本的なところをぼやかされたように思う。例として、アフリカで傷ついたライオンを隔離して治療していると、治っても生きていけない。分離教育をしていると、18歳になってもその人たちの姿が地域社会の中で見えてこない。従って社会の中で生きられない。通常の子どもの意識も、助け合っていくためにいっしょに学ぶ、そこで問題が起きたときにどう支援するかを考えるのが文部科学省ですよ。考え方が逆ですよ。
副大臣 障害のある人は1人1人ニーズをもっている。それに対して手厚くきめこまかな教育を必要とする。しかし一方で現実の社会で生きていくことの重みは感じている。交流でその理解をはかっていきたい。
平野  ノーマライズしていく社会をつくるんだ、原則は普通で。今はちがっている。ある基準を作って別のところへと、これは違う。今回の改正ではあまりにもノーマライゼーションの考え方が抜けている。今の答弁では考えは考えとして実際は、という形なので、非常に危惧している。 何とかいい方向にならないか。
さて、実状はかなり多くの方が普通学級で学んでいる。それをどう考えるのか、違法とするのか、それとも追認するのか、それとも私の求める方向へもっと進めようとしているのか、今の段階でどうですか。
副大臣 当然ながら実状は承知しています。現状に応じて、市町村教委の就学事務の弾力化をはかろうということ。これまでの措置を是正するとか、今在学している子どもたちの措置を変更することでないことは確か。
平野  もっと普通に学べるように基準を見直そうじゃないか。医学の進歩や社会の進歩もある。どんどん普通学級に入ってもらえるようにするための見直しなのか、それともそうではないのか。また、地方自治体に判断を任せるという考えなのか、そうではないのか。
副大臣 2段階です。最も適切な教育を受けられるように政令で就学基準を見直す。市町村ではその政令に基づいて、どう判断するのか、弾力的に運用していく。
平野  それならよもや「例外的な措置」なんてことを絶対入れなさんな。入れてもらったら困りますよ。もう1つ、就学先の決定について保護者が最も本人の将来を心配して考えている。それがなぜ、行政が決定するようになっているのか。もっと保護者ないし本人が決めるようにするべき。
副大臣 これまでも保護者、本人の意見をしっかり聞いた上で適切な就学先を決めるように考えてきた。今回、相談支援体制、体験入学、保護者の意見を聞く場を設けるなどで、具体的な成果をあげたい。
平野  大臣、なんと言っても責任は大臣にある。何度も言いますが、21世紀は共に理解し合う社会を。各自治体で一生懸命やって共に学べているところがある、それに上から基準を当てはめることはやめてほしい。選択権は保護者に、あるいは判断できる本人にある。原則は普通で学べる環境をつくってほしい。
このあと、斎藤、都築、石井、各議員の質問があった。最後に山内議員が質問した。

(2)山内恵子議員(社民党)の質問(関連する部分)
山内  障害のある子どもたちが地域の学校で共に学ぶことをどう考えていますか。
大臣  これからの時代、障害のある人とない人が共に理解し合い、共に生きることは必要な事であると思います。
山内  その確認の上で、1月に「21世紀の特殊教育のあり方」の最終報告が出た。みんな期待していたと思う。今日、関係する方々が傍聴席に座りきれないほど来ていたのも、始め期待して次にがっかりしたのではないか。すでに国連は統合教育を進めるように勧告している。障害者の機会均等に関する基準規則では、養護学校などが必要とされる場合を認めても、それは統合教育への準備期間としなければならない。子どもの権利委員会でも「教育に効果的にアクセスできるようにするためにとっている政策が不十分であることを憂慮する」という勧告が出ている。 私は5月に出た案を見て、その参考例の言葉に大変ショックを受けた。(違法、不適当だが違法でない、・・・例を読み上げて)
矢野局長 具体的な案を示せる段階ではない。今の資料は検討段階における全く内部の資料であって、これをもってどうこうするものではない。
山内  では、このような言葉は絶対に出てこないと思っていいんですか。この部分は削除されると思っていいんですか。
矢野局長 そういうことを言えるものではない。これまでの市町村の就学指導を違法としたり、在学している子どもたちを違法とするものではない。弾力的な運用を考えている。
山内  私がいた学校で、介助の必要な車椅子の子を受け入れたことがある。始めはみんな、助けてあげようとした。でも、まわりの子どもたちや親、教師の方が、その子から多くのものを学んだ。入りたい子がいれば、その子に合わせて統合教育ができるようにして行ってほしい。北欧を見てきたが、日本の学校はあまりにも貧しい。
矢野局長 今後の基本方針は、障害をもった子どもにとっての教育のあり方をふまえながら、地方自治法改正に伴う機関委任事務がなくなることをふまえて就学事務の見直しを行うこと。

 (記録 千葉県連絡会 山田晴子)


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