障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2022年7月406号巻頭文

久留米でまっとるけん。みんな、かたらんね*

第14回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会inくるめ実行委員会

9月18日(日)、福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」において、第14回「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会inくるめをズーム併用で開催します。

この集会は、本来は2020年に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、今年に延期したものです。今回の集会を受けるに当たり、2013年の全国 連の全国交流集会開催後、実行委員会を元に結成したインクルーシブネットワーク福岡で話し合いをしました。当時、会の代表だった中山善人(よしと)さん(元全国青い 芝の会会長)は、これまで活動を共にしてきた仲間が亡くなるという経験から「この交流集会を自分の最後の大きな仕事にしたい」と実行委員長を引き受けてくれました 。開催に向け話し合いを行っていましたが、2020年春、新型コロナウイルスで世の中の動きが見えなくなった頃、集会を予定通り実施するかどうかの決断を迫られま した。中山善人さんは体調を崩し、入院中でした。面会も許されない中、他のメンバーで集会の2年後への延期を決めました。2020年5月、中山善人さんは亡くなりま したが、この集会の成功を誰よりも強く願っていた彼の遺志を引き継ぎ、新しい実行委員長の中山智博さん(代筆受験で高校へ進学し、現在は熊本学園大学4年生)を中 心に、集会の準備を続けています。

福岡でも、全国の状況と変わらず、子どもの数は減少しているにもかかわらず、特別支援学級、特別支援学校の在籍者数は毎年、増え続けています。国連の障害者権利 条約を批准したにもかかわらず、インクルーシブ教育は進まず、別学体制はますます強くなっています。福岡県内では、ある町の800人規模の小学校に特別支援学級が20 クラスもあります。特別支援学校のマンモス化を解消するため、新たな県立の特別支援学校も作られます。新たな学校が作られても、何の解決にもならないと思いますが 、ただ、このような状況下でも、特別支援学校への就学をできる限り減らそうと地域と連携して取り組み、成果を上げている学校もあります。

今回の集会では、午前の全体会記念講演には、徳田靖之弁護士をお招きします。ハンセン病国家賠償訴訟・家族訴訟で知られていますが、障害児者に関する裁判にも関 わられてきました。コロナ禍での感染者に対する誹謗中傷は、ハンセン病元患者に対してのそれと共通するものがあります。私たちが考えなければならない視点について、 お話しいただきます。

午後からは分科会です。4つの分科会で、九州・沖縄から1本、全国から1本の報告をお願いしています。報告を受けた後、交流を行います。

第1分科会【高校生になりたい! なります! ~地域の保育園・小学校・中学校で学んだその先に~】では、中学2年生で通常学級で学ぶ熊本の廣岡さんと、医療的ケ アが必要で定員内不合格になり、来年、4年目の受検を決意された千葉の雑賀さんに報告をお願いしています。

第2分科会【高校生になりました!~本音の高校生活~】では、3浪後、特別支援学校籍ではあるものの、現在高校2年生の沖縄の仲村さんと、東京都立高校2年生で高 校生活を楽しんでいる柳井さんに報告していただきます。

第3分科会【広がる卒業後の選択~人生の主人公は〝わたし〟~】では、大学を卒業し、この春から当事者スタッフとして自立生活センターで働いている熊本の佐々木さ んと、この春、高校を卒業し、これからの生き方を模索している東京の五十嵐さんに報告していただきます。

第4分科会【「障害児だけではない」高校に行けない子どもたち~貧困・環境などの社会的「排除」により~】では、解放奨学金廃止を受けて、新たな奨学金制度を作り 、進学を支えてきた福岡高同教の長島さん、吉田さん、外国にルーツを持つ生徒が高校進学する際、入学してからの課題等について、東京の大串さんに報告をしていただきま す。

全国各地の状況を交流し、今後の取り組みに生かせていければと思っています。

コロナ禍で恒例の交流会はありませんが、久留米ラーメンや焼き鳥が有名です。全国の皆さんに久留米でお目にかかれることを楽しみにしています。久留米でまっとるけん 。みんなかたらんね。



*「かたらんね」は方言で、「仲間になって一緒にやろう」という意味。

*宿泊を予定される方は、ぜひ久留米市内に宿泊をお願いします。宿泊者数に応じて、実行委員会に補助金が支給されます。宿泊者数を集会後、実行委員会で確認、各ホテ ルに証明書を発行してもらい、申請します。宿泊先については高校集会当日、参加者に確認しますので、皆様のご協力をお願いします。

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

●巻頭久留米でまっとるけん。みんな、かたらんね /第14回「障害児」の高校進学を実現する全国集会分科会レポート・その1/ 第1分科会/第2分科会/第3分科/ 会第4分科会●ジュネーブ派遣団報告(その2)ジュネーブで訴えてきたいこと!/「大丈夫だ! プロジェクト」を立ち上げました「大丈夫だ!」を全国に広げよう!/ 全国連facebookページ立ち上げのお知らせ/支援学級籍を抜こう!―文科省「通知」をめぐっての提案―/●「相談から」コーナー「通常の学級に在籍する障害のある児童 生徒への支援の在り方」の意図はどこに?//各地の集会・相談案/事務局から/事務局カレンダー