障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2022年6月405号巻頭文

子どもたちの目の輝きを!

新潟県・世話人  まゆずみただし

佐渡に来て25年経った。ボクが住むのは、三方が峠やトンネル、前は海。高齢化は進み子どもは減る一方。というか、ほとん どいない。限界集落と言われたのは昔のこと。学校も他地区との合併ができず、小中が一緒で20名弱。ウチ7、8名は区域外(島 外からも)からの〝いわゆる山村留学〟の子どもたち。都会の学校には〝なじめず〟わけありの子どもたちが多い。

先日、空家が増え、ゴーストタウンのようになった集落のメインストリートを、かっこ良い自転車に乗った親子連れがさっそ うと風を切って散歩をしていた。夏のように暑い日、まだ5月だというのに、川遊びをしている家族。魚釣りが好きだと、毎日 、突堤にアジ釣りに来ている子。そんな子どもは、みんな都会からの山村留学の子どもたちだ。ボク等が子どもだった5、60年 前の光景だ。生き生きとして、目がキラキラと輝いている。

3年前に日教組の教研集会に参加してビックリした。あまりにも多くの子どもたちが〝発達障害〟というレッテルを貼られてい ることにである。そう言えば、ボクの5人の孫たちもみんな学校側に言わせると問題があるらしい。ポヨヨンとしていたり、元気 があり過ぎたりはしているが、最近の子どもにない個性的な良い子なのだが…。夏休みや冬休みなど子どもたちだけで1、2週間 、遊びに来るのだが、一緒に海に行ったり、雪あそびをしたりと、ノビノビと育っていると思うのだが、学校にはあわないらしい 。ある子などは、〝あの子は放っておいたら将来、犯罪者になる。精神科に連れて行くように〟と言われたと言う。

3年前に日教組の教研集会に参加してビックリした。あまりにも多くの子どもたちが〝発達障害〟というレッテルを貼られてい ることにである。そう言えば、ボクの5人の孫たちもみんな学校側に言わせると問題があるらしい。ポヨヨンとしていたり、元気 があり過ぎたりはしているが、最近の子どもにない個性的な良い子なのだが…。夏休みや冬休みなど子どもたちだけで1、2週間 、遊びに来るのだが、一緒に海に行ったり、雪あそびをしたりと、ノビノビと育っていると思うのだが、学校にはあわないらしい 。ある子などは、〝あの子は放っておいたら将来、犯罪者になる。精神科に連れて行くように〟と言われたと言う。

子どもを取りまく環境は大きく変化した。核家族化、少子化により親も子も孤立化した。女性の社会参加と言えば聞こえはいい が、実は共働きをしなければ暮らしていけない。昔、子どもは放っておかれて群れて遊んだが、最近はゲーム機をあずけられ一人 で遊ぶ。何よりも学校の変化が大きい。先生が子どもと遊ばなくなった。約束、キマリ、規則と管理がきつくなり、ケガや事故を おこさないようにと、あれもダメ、これもダメ。それでいて、先生自身も評価だ記録だと管理されている。管理からハミ出す子 、ついていけない子、反抗する子が、病気・異常として〝発達障害〟のレッテルが貼られていく。

そもそも、〝発達障害〟などという病気は無いのだ。昔は、母子関係や人間関係の問題があると言われ、家族やまわりの人が ふりまわされたこともある。微細脳損傷、学習障害と言われ検査では見つからない、脳にキズがあるのだろうと思われたこともあ る。注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害といったところで、症状を羅列しただけのこと。CT・MRI・PET等々、検査機械 が進歩(?)するたびに、脳の血流・神経伝達物質の異常ではないだろうか、とエライ〝専門家〟の先生でああでもない、こうで もないと議論されるが、みんな仮説でしかない。

学校の先生は、自分の手におえなくなるとすぐに〝専門のセンセイ〟の所に相談に行くように、そして薬を飲ませるようにと言 う。何が原因か、どんな病気かもわからないで、〝薬〟である。とりあえず、大人(学校の先生や親)にとって都合の悪い症状を おさえることになる。脳の活動をおさえたり、刺激性を高める薬が出されることが多い。

子どもが、そのような行動をとるのは、それなりの理由があってのことなのだろう。それを薬でコントロールしてしまおう、 コントロールできる、という発想が恐い。効いたら効いたで恐いし、効かなかったら飲む必要は無い。たとえ、問題行動があった にしても、ああでもない、こうでもないと苦労しながら人間関係を築いていくその過程が、長い目で見た時には大切なのだと思う 。

それに薬を考えるうえで、大切だなと思うのは、発育途上の子どもだということ。一人ひとり子どもは異なるし、かかわり方のちがいが、その人の個性を作っていく。 ボクが出会ったあの子どもたちが、目の輝きを失わないように、祈りつつ、関わっていきたい。

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