障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2019年10月378号巻頭文

インクルーシブ教育を実現させるため、 国会に請願署名を出しましょう

~署名運動にご協力ください~

障害児を普通学校へ・全国連絡会

2014年に日本政府は障害者権利条約を批准しました。条約は、障害のある子ども も障害のない子どもも共に学ぶインクルーシブ教育を規定しています。 しかし、「インク ルーシブ教育」を「インクルーシブ教育システム」と言い換え、従来の特別支援教育制 度からの方向転換がなされていません。 学校教育にかかわる法律全般がインクルーシブ 教育を推進するものになっていないのです。

制度上は、子どもの就学先は保護者と子どもの意思を尊重するとしていますが、教育 委員会は「適切な指導」として、普通学級・特別支援学級・特別支援学校を 決定してき ます。「その子に合ったニーズ」「多様な学びの場」の名のもとに振り分けています。障 害のある子どもの就学先が、原則普通学級となっていません。 日本のインクルーシブ教 育システムでは、子どもたちを振り分ける分離教育が強化されているのです。

制度上は、子どもの就学先は保護者と子どもの意思を尊重するとしていますが、教育 委員会は「適切な指導」として、普通学級・特別支援学級・特別支援学校を 決定してき ます。「その子に合ったニーズ」「多様な学びの場」の名のもとに振り分けています。障 害のある子どもの就学先が、原則普通学級となっていません。 日本のインクルーシブ教 育システムでは、子どもたちを振り分ける分離教育が強化されているのです。

こうした状況のもと、子ども全体の数は減っているにもかかわらず、特別支援学級や学校で学ぶ子どもの数は増え続けています。そして、「教室が足 りない」 「先生が足りない」と特別支援学級・学校の増設や、特 別支援教育の充実を求める請願運動がおこっています。

特別支援学級や学校が増えると、就学指導が強化され、そこへ 就学させられる子どもが増えていきます。普通学級で学ぶ障害の ある子どもたちへの支援がなされず、 地域の学校から締め出され ていきます。日本のインクルーシブ教育システムは、特別支援教 育の対象児を増やしているのです


全国連は、こうした現状に強い危機意識を持っています。

そこで国連の障害者権利委員会にパラレルレポートを提出し、 日本のインクルーシブ教育システムの実態を訴えることにしまし た。国内においても国会に向け請願署名を出し、 文科省に真のイ ンクルーシブ教育の実現を求めていくことにしました。

私たちは「障害のある子どもも障害のない子どもも共に学ぶイ ンクルーシブ教育」の声をもっともっと大きくしていかねばなり ません。この声を国会に届けなければなりません。 障害者権利条 約を批准しているのに、障害のある子どもを地域の学校から排除 することは認められません。分離教育制度の強化を認めるわけに はいきません。

国連の障害者権利委員会の動きと合わせ、重度障害者が国会議 員となった今、社会が大きくインクルージョンに向かっていくこ の時期を逃してはならないと思います。 そこで、全国連とは別に 「障害者権利条約が規定するインクルーシブ教育の実現を求める会」を立ち上げ、全国連はもとより広範な団体の賛同を得ながら 署名運動を進めていくことになりました。 この請願署名運動は、 「障害者権利条約が規定するインクルーシブ教育の実現を求める 会」で取り組みます。

皆さん、多くの署名を集め国会に、日本政府に、インクルーシ ブ教育の実現を求めていきましょう。ご協力をお願いします。


署名期間
第1次集約 2019年 12 月
第2次集約 2020年2月   ―2020年の通常国会に提出予定―


署名用紙とチラシ
今月号に同封しました。
署名用紙は、更に必要な数は事務所に請求してください、 またコピーして使ってください。チラシも要望があれば無料で郵送します。ご活用ください。


紹介議員への依頼
請願署名の提出には、賛同する国会議員の紹介が必要です。 紹介議員をお願いできる国会議員とつながりのある方は、事務局までお知らせください。多くの国会議員さんに紹介議員 になってもらいたいと思います。


参議院・衆議院議員への要請行動や院内集
2020年3月の総会の時期にあわせます。今から都合を つけてご参加ください。詳細は決まり次第お知らせします。 多くの方の参加を呼びかけます。


他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

●巻頭 インクルーシブ教育を実現させるため、 国会に請願署名を出しましょう ~署名運動にご協力ください~ /第 19 回障害児を普通学校へ・全国連絡会 全国交流集会 in ちば を終えて /全国交流集会 に 参加して / 分科会報告 その1 第1分科会 就学前「最初の壁を越える」 第2分科会 小・中学校「あたりまえにみんなの中で」 第3分科会 高校 1日目「高校生活を話そう」 みんなで元気になりましょう 2日目「高校に行きたい人 集まれ!」みんなで自由に話そう /重度障害者から声を出すとき /インクルーシブ教育を求める川崎裁判  第8回報告 /再考   生きるのに理由はいるの? ~「津久井やまゆり園事件」が問いかけたものは…~/「知的障害の疑似体験」 ??―ある公立中学校の「インクルーシヴ教育講座」― ●「相談から」コーナー 席はいつも一番前でいいのか /各地の集会・相談案内 /運営委員会こぼれ話 その 28 /事務局から /事務局カレンダー/