障害児を普通学校へ全国連絡会会報 2018年6月365号巻頭文

第13回 障害児の高校進学を実現する全国交流集会inあいち

実行委員長 佐藤元紀

この度、愛知(刈谷市)にて初めて「第13回障害児の高校進学を実現する全国交流集会inあいち」が9月15 日(土)~16日(日)に開催されることになりました。当初、実行委員長を内海千恵子さんが担っていましたが体調不良のため私に途中から交代となりました。前実行委員長の考えと同様に誰もがお互いを認め合える社会を創るためには、障害のある子どもたち、ない子どもたちが同じ時間、同じ場所を共有することが一番大切なことです。その環境があれば、障害がある人、ない人、双方にとって偏見や差別のない社会へと進むことができるのではないでしょうか。そんなインクルーシブ社会を実現するために皆さんと考え、取り組んでいく機会としましょう。


私自身、高校入学拒否にあった経験があります。筋ジストロフィーという先天性の障害があり、特別支援学級で過ごしていた時期もありますが、小学校、中学校と普通校で学校生活を送っていました。高校進学を考える際には、ほとんどのクラスメイトと同様に自分の学力よりは上を目指して、自宅から通いやすくて、学費の安い公立高校という条件を考えていました。しかし、実際に公立高校へ見学へ行くと、なんとエレベーターがなかったんです。また、教頭先生から「入学試験は受けて良いけど、学校生活は保障できませんからね」という言葉がありました。いま思えば明らかな差別的発言です。小中学の際は給食用エレベーターを利用したり、スロープを設置したりなどの配慮がありましたが、高校になった途端に自分が行きたいと思った高校へ行けなかったんです。子どもながらにあまりにもショックで母親と涙し、なぜ障害があると選ぶことができないのかという怒りを覚えました。結果的にはハード面が整っていた 私立高校へ行く選択しかありませんでした。

私自身、高校入学拒否にあった経験があります。筋ジストロフィーという先天性の障害があり、特別支援学級で過ごしていた時期もありますが、小学校、中学校と普通校で学校生活を送っていました。高校進学を考える際には、ほとんどのクラスメイトと同様に自分の学力よりは上を目指して、自宅から通いやすくて、学費の安い公立高校という条件を考えていました。しかし、実際に公立高校へ見学へ行くと、なんとエレベーターがなかったんです。また、教頭先生から「入学試験は受けて良いけど、学校生活は保障できませんからね」という言葉がありました。いま思えば明らかな差別的発言です。小中学の際は給食用エレベーターを利用したり、スロープを設置したりなどの配慮がありましたが、高校になった途端に自分が行きたいと思った高校へ行けなかったんです。子どもながらにあまりにもショックで母親と涙し、なぜ障害があると選ぶことができないのかという怒りを覚えました。結果的にはハード面が整っていた 私立高校へ行く選択しかありませんでした。

私の高校入学拒否にあった経験から15年ほど経ち、障害者権利条約の批准、障害者差別解消法の施行など障害がある方の当たり前の権利が広がっています。愛知県での高校進学状況として、ある程度点数が取れる受験生に関しては入試における配慮によって入学しています。発達障害のある方は中学校から普通学級に変わり、名古屋市立中央高校の昼間定時制を前期で合格しました。しかし、一方では私たちの会から受験した重複障害のある方は小学校2年生の時に、特別支援学校から地域の普通学級へ転校してずっと普通学級で過ごしてきましたが、今春卒業して公立高校を2回の定員内不合格にされて浪人をしました。まだまだ、行きたい学校へ行けない現状があります。

今回、愛知の集会のアピールでは「高校希望者全入」を目指し、1日目の全体会では元文部科学省官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研さんにお越しいただき、「私が実現した高校の希望者全入~適格者主義者の呪縛を越えて~」というテーマで広島での教育長時代における取り組みについて講演していただき、私たちが今後取り組むべきことを皆さんと共に考えたいと思います。2日目の分科会では以下の4つのテーマで高校進学を目指している方、実際に高校生活を送っている方、卒業後に様々な選択をした方の想いの共有、さらには、「障害」を広く捉えて社会的排除により高校に行けない子どもの問題について考えます。

〇第1分科会:「高校生になりたい! なります! ~地域の保育園・小学校・中学校で学んだその先に」
地域の小中学校からみんなと一緒に学び、その先にある「高校」もみんなと一緒に目指したい人の報告・討論

〇第2分科会:「高校生になりました! ~ホンネの高校生活」
実際に高校生活して・・・学校・先生・友達の関係などの報告・討論

〇第3分科会:「広がる卒業後の選択肢 ~人生の主人公は〝わたし〟~」
実際に高校卒業後に様々な道(進学・就職・地域生活など)へ進んだ方の実体験を共有し、どんな障害があったとしても自分を生かせる場所、挑戦できる場所があることを報告

〇第4分科会:「「障害児だけではない」
高校に行けない子どもたち~貧困・環境などの社会的「排除」により」高校へ行けない 子どもたちの問題を考える


子どもたちには育つ権利があります。もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療や教育、生活の支援などを受け、友達と遊んだりする権利があります。もちろん普通学校の環境が整っていたとしても、学校生活を送る中で良いことだけでなく悪いことも必ず経験します。しかし、それは普通のことであり、その経験によって人は成長します。その機会を障害や貧困などによって奪われてはなりません。誰もが当たり前に行きたい学校へ行ける社会を、お互いを認め合える社会を創っていきましょう。

他、記事は以下の通りです。お読みになりたい方は、この機会にぜひご入会下さい。

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